
何度も書いたが、私は朝が好きだ。
今日の日の出は6時15分。
6時に家を出て、6時10分に浜に着く、
浜で10分の日の出を楽しみ、6時30分に家に帰る。
そんな私独りのじゃらんじゃらん(散歩)記である。
6時、ほんのり暗い。
家の前の広場にはもう朝食の屋台が出ている。
美人の女将さんがいる(写真)。
「スラマッパギ(おはよう)」
「ボレアンビルフォト(写真撮っていい?)」
「ボレ(いいよ)」
バリの朝は誰もが挨拶が明るい。
通りに出ると、人はまばら、制服を着た小学生が通る。
小さいのに、早起きだ。

早朝の散歩でうれしい音がある。
サラッサラッと聞こえる箒の音だ。
あちらこちらから、この音が耳に飛び込んでくる。
バリの箒は竹箒よりも腰がある。
音も硬くて大きいのだ。
町中の箒が一斉に動き出すのは壮観だ。
そんな快い音に、華やかな色が舞う。
正装した女性がお供え物をする風景だ(写真)。
マンディー(水浴)を済ませ、身体を清めているので、出会う私も清清しい。
「写真とってもいいの」
「ボレボレ(いいよ、いよ)」、丁寧な二つ返事。
浜に出る。
子供二人の手を引いて、朝陽に向かって歩くおばさんがいる。
そんな静かな光景を破るバタバタ音、
ジョギングをする大きな身体の白人男性がやってくる。
そして、「グッドモーニング」
走りながらオレに言う。
負けてたまるか、倍の大きな声で挨拶を返す。
朝がだんだんと明け、周囲がざわざわする。

浜辺にスコップを持っている女性がいる。
昨夜に打ち上げられた海藻を穴を掘って埋めているのだ。
「毎日なの?」
「そう、毎日」
「大変だね」
「2時間だけだよ」
働く人は、大変とは答えない。
あくまでも前向きで明るい。
6時30分。そろそろ家に着く。
散歩に出かけたときにあった、落ち葉がもう掃き清められて無い。
ごみ収集車が、いっぱいの落ち葉を積んで走っている。
リックを背負った高校生が校門を通る。
サヌールの朝は猛烈なスピード感で明ける。
そして、明るい!