(航空運賃)
まず、アロール島への航空運賃。
11月3日、旅行会社に行き、航空運賃を調べたところ、
11月4日バリ発 で、
デンパサール ~ クパン(ティムール島)9400円
クパン(ティムール島)~ アロール島……6080 円
と、片道約15000円であった。
そうか、往復約3万円ってことか、
まあまあってとこかな、てんで、アロール行きを決める。
で、翌、11月4日、チケットを求めに、同じ旅行会社に行く。
と、11月5日発と1日変えただけなのに、
3000円値上がりして、18000円になってるじゃありませんか。
聞けば、よくよくあることらしい。
往復で36000円、まあ、これも勉強てんで、チケットを買う。
(デンパサールからクパンへ)
11月5日、飛行機(ガルーダ航空)は、午前7時15分発、
5時30分に飛行場に着けば良いだろう。
で、出発前にシャワーを浴びる余裕を考えて、
前日の夜、目覚まし時計を4時に合わせて眠る。
年寄りは夜中に目が覚める……んで、何度か起きるが、
最終的には、目覚ましの音で目が覚める。
シャワーを浴び、軽く朝食をとり、
お手伝いさんに恥ずかしくないように寝具を片付けて、
んで、時計を見ると、アレッ、すでに6時15分??
すぐに思い当たる。
そうか、目覚まし時計は、日本で使っていたので、日本時間だったのだ。
オレは、4時ではなく、5時に起きたのだ。
急いで荷物をまとめ、家の戸締りもそこそこにしてバイクに飛び乗る。
で、空港まで、ぶっとばす。
ぶっ飛ばしながらも、事故は起こすまい、こういう時ほど冷静に、
もし、間に合わなければ、アロール島行きを止めればいいだけ、
誰に迷惑になるわけでなし……てんで、運転に集中するオレ。
なんやかやがあったけど、ほんに滑り込セーフの感じで機中の人となる。
まあ、旅ってこんなもんだ、ざまあ見ろ、なんとかなるのさ、
と、その時は、居直ったオレでした。
写真は、デンパサール、クパン間を乗った飛行機。
(クパンにて)
クパン空港。

ティムール島のクパンに着いたのが午前9時。
クパンは、東ヌサトゥンガラ州の州都であるから、それなりに大都会だ。
アロール島への飛行機は14時である。
終戦時の日本軍の痕跡を探るには、十分に時間がある。
タクシー受付に飛び込み、事情を話し、交渉する。
3時間3000円、2時間2000円という。
ぼられている気配はない。
案外と高い。
でもしょうがない。
とりあえず2時間で契約して、町に向けて出発する。
運転手に「日本軍」のことを聞くも要領が得ない。
とりあえず、地図にあるモニュメント3か所を全部行け、と指示する。
驚いたのは、道路がきれいなこと!!
アスファルトの質が違うのだろうか。
鏡のようなスベスベの道路なのです。
次がその道路の写真。
左の木々が道路に反射して写っているでしょう。

木の陰なのですが、その影が光り輝いているのです。
運転手のアグスに(乗車後すぐに自己紹介)、聞いてみる。
写真がそのアグス。

「アグス、クパンの道路はみんなこうなのか?」
「そうだよ」と、アグス。
でも、本当かどうかなあ~
ひとつめのモニュメントに着いた。
それが、これ。

酋長のような人物像だ。
いずれにしても「….1976年」って書いてある。
インドネシア独立戦争にも関係がなく、
ましてや日本軍には、まったく関係のないモニュメントである。
どうもアグスに聞いても拉致があかない。
彼は歴史の「れ」の字も知らないようだ。
だれか知識人を探そう。
ってんで、海岸に出て、人込みを探す。
と、学生さんがいた。
次の二人だ。

学校で歴史を習っている筈だ。
地図を見せながら、「日本軍の足跡」を訪ねたいことを告げる。
それならば….と教えてくれたところに行ってみた。
こんなところであった。

なにがなんだかわからないモニュメントである。
近くに恋人同士らしいのがいる(写真では右)。
近寄って、モニュメントの由来を聞いてみよう....と、
オレの呼びかけに振り向いた彼女。
なんと、男じゃアリマセンカ。
オレ、そっちの方の興味はないので…..早々にバイバイ。
にしても、先般の女学生にも話が通じてなかったようだ。
で、日本軍の足跡探しをあきらめたオレ。
探索を一時間半で切り上げて、空港に戻る。
んで、空港に戻ったオレ、無性にビールが飲みたくなる。
朝からおもろいことがなんにもないオレ、
それに暑い!
バリ島よりもずーと暑い!
可哀想なオレに、せめてビールでもがぶ飲みさせてやりたい。
てんで、空港の向えの食堂に入る。
いくつかある食堂の中で唯一ビールがある店を見つける。
が、冷蔵庫には、缶ビール一缶と大瓶一本があるのみ。
がぶ飲みに耐えうる量ではない。
が、ビールにありついただけでいいか、ってんで席に着く。
席が空いてなく、おばさんグループと相席だ。
と、ビールをぐい飲みするオレを見て、おばさんの一人が、
「ダリマナ:どこの国から来た」と、聞いてくる。
「どこの国だと思う?」オレ、逆に聞いてみた。
まず、最初の答えが、マレーシア?…….に、オレ、「違う」
インドネシア?…….違う!
オレのインドネシア語を聞けば、でないことが判るだろうヨ!と言うと、
そうね、では、シンガポール….それも違う。
そうこうしているうちに、店のスタッフ達も話に加わってきた。
写真はその中のひとり、彼氏がいるが未婚だという、ユリアナ譲。

で、合計、女性8人男性1人の計9人が、
オレの国を当てる話になった、その中身だが、
ヴェトナム?…….違う。
カンボジア?……違う(カンボジアを知っているのには内心驚く)
中国?…….違う。
韓国?…….違う。(近くなったなあ、でもなんで韓国が先なのだ!)
んん、わからない、イタリア….違う。(なぜ、ヨーロッパに行くのだ)
「オレ、アジア人だぜ!」
アジアは全部言ったはずだ。
「まだまだ、アジアはいっぱいあるだろう。」
ああ、そうだ、インド!だ。
「違うわい!!、日本だ!」とばらすと。
ああ、そうか忘れていた。
というじゃありませんか。
忘れたって…この現実にオレ、唖然としました。
日本って忘れられるほどの国だったのですね~。
空港のトイレの便器が日本製の「東陶」なのに(写真)…..

食堂でのビール代…..大瓶が500円、缶ビールが350円。
その値段の高さにも、ティムール人の無知にもがっかりしたオレ。
早々に空港に行き、待合室の椅子に大の字になって寝たのですが、
バッグを枕にお金の入ったカバンをしっかりと握り、寝たはずなのに、
目が覚めてみると、手元にカバンがないじゃありませんか。
ヤヤ、と一瞬思ったものの、
すぐに椅子の下の床に転がっているカバンを発見。
「案外、安全なところかも知れない」と、ティモール人を評価するオレでした。
写真は、オレが寝込んだ空港内待合室。

冷房がなく、まるで蒸し風呂だった。
(アロール島に着く)
16時クパン発、14時50分アロール(マリ空港)着(TransNusa航空)。

プロペラ機であるが、オレはそんなの気にならない。
飛行機事故を怖がる人が多いが、オレは全く怖くないのだ。
逆に死ぬなら飛行機事故の方が良い。
手早く死ねるのと、航空会社が遺族にお金を払ってくれるので、都合が良い。
そう言えば、今回、日本行に同行したエヴィも同じことを言ってたっけ。
若い((22歳)のに、なかなかの女性だ。
話がそれた。
次がアロール空港。

アロール空港に着いたオレ、まずはホテルへと向かう車を探す。
といっても、ホテルは、まだ決めていない。
事前の調査では、もっとも大きいホテルは、
「Hotel Pelangi Indah」であるらしい。
とりあえず、そこに向かうことにした。
空港を出ると、例の通り、車やオジェ(バイク相乗り)が言い寄って来る。
空港からホテルまで15キロほどであることは事前に調べてあった。
車を交渉してみる。
1500円という。
高すぎる、というと、4人相乗りがおれば、ひとり400円という。
まあまあ、勘定が合う。
結局は3人の相乗りが見つかり、価格も400円で交渉成立し、ホテルに向かう。
が、町に近づくと、なんだか、いやな予感……
オレのこの種の予感は、案外当たるのだ。
(Hotel Pelangi Indahに着く)
ホテルに着いた。
入口を見た途端に、予感があたったことを知る。
チェックインしようと料金を聞く。
冷房のある部屋で、もっとも安いものは?
「1650円」という。
「なぜに半端な値段なのか」
「1500円だけど税金が10%かかるからだ」
と、応対したのは、昔に女性だったことだけはなんとかわかる、いかにも強欲婆。
「まあ、見せてもらおうか」
と、部屋に行くと、一年ほどは人が住んだ気配のない、“うす暗い囲い”。

鍵も壊れてかからない。
いくらオレでも、ちょっと可哀想だぜ。
てんで、ひとランク上げて、VIP ルームとやらに変更。
案内されて、その部屋に入る。
冷房はある。
トイレ、シャワー…..思い出すのも嫌だし書きたくもない。
んん?突然にゴキブリが床を歩き出す。
「オイオイ」….部屋を案内してくれた中年の男にゴキブリを指さすと、
彼は、話を止めることなく、裸の足でぐいとゴキブリを踏みつける。
余りにも簡単すぎる….じゃありませんか。
彼の足の裏には、死骸から滲み出た液体がついている筈だ。
オレへの説明よりも、そっちの方を気にしてくれよ。
んんん、でもでも、まあいいかってんで説明を受け、鍵を受け取る。
彼が出て行って、荷物を置こうとすると….
なんだこれは!
顔の周辺を飛びかう無数の蚊に気づく。
幸いにオレ、こんなこともあろうかと、
バリの家より、フマキラのOne Push Vape を携行してきていた。
One pushで良いのに、5~6回ほど、プッシュした。
と、1~2分もしないうちに、床がほこりっぽくなってきた。
なんということはない。
小さい蚊の死骸が床に積もり埃のように見えるのだ。
写真を撮ってみたが、小さすぎて、残念ながら「埃」にしか見えない。
ううん? トイレは……
戸を開けてみると、やはりやはり、細かな蚊がいっぱい。
目をつむって、スプレイをプッシュするオレ。
薄目を開くと、ゴキブリ二匹が床に….
ああ、オレって可哀想!
バリが恋しい。
が、よし、バリが良い、と再認識しただけでも、この旅は成功だ。
と、自分に言い聞かせて、住むことを決め、三日間の宿泊を了承する。
が、石鹸も置かれてないので、道路に出て石鹸を買い求める。
再度部屋に帰って来ると、足の裏に、蚊の死骸がつくのが気にかかる。
だめだ、だめだ、おれはやっぱり我慢できない。
もうひとつあるホテルを見て来よう。
住所は同じDiponegoro 通りだ。
歩いて行けるところにあるに違いない。
5分ほど歩いたろうか、誰に聞くでもなく、もうひとつのホテル、
Hotel Nusa Kenari Indahを見つけた。
受付には、やはり中年のおばあさんだいる。
が、受け答えに笑みがこぼれることがある。
昔、女性だったというのでなく、今も女性のおばあちゃんだ。
まあ、これなら良さそうだ。
部屋を見せてもらうと、なんとか住めそうに思える。
価格も2500円ポッキリで税金がつかないという。
よし、ここにしよう!!
と、決めてからがまた大変だった。
Hotel Pelangi Indah の強欲婆が、オレの引っ越しを拒むのだ。
引っ越しするなら、一日分の2750円を払えと言うのだ。
「一時間も部屋にいないではないか」
「ベッドもトイレも使っていないじゃないか」
「床の蚊を見てくれ、あれはオレが殺してあげたものだ」
が、強欲婆は一日でも泊まれば良いじゃないか、と言い張る。
「まあ、いい、罰金として200円は払う、それでOKしろ!」に、婆は、
「一度、宿帳に書いたのだから、ボスがそれではOKしない」という。
ボスがいるかどうかも、そんなの信用できない。
押し問答が続く。
で「わかった、1000円払う」
「本当か、見せてみろ」と、いう婆の手に、1000円を押し付けて、
相手の返答を聞かずに、Hotel Pelangi Indahを足早に去った。
さて、そんな経緯で、Hotel Nusa kenari Indah にチェックインしたオレ。
写真は、Hotel Nusa kenari Indah。

先に見た部屋に入ろうとすると…..
「その部屋は見本にみせただけ、いま他人が使っているから他の部屋に」という。
またまた、変な予感…..
で、案内された部屋、ベッドはまあまあ、
が、シャワー室兼トイレに入って、床を見た途端、仰天……
なんと、ゴキブリが3匹ほど、慌てて動き回ってるじゃありませんか。
まあ、いい、まあ、いい、オレは、無駄な抵抗を諦めた。
なんとか、ここで三泊四日を過ごそう。
と決めて、荷物を部屋に置き、早速に街に出る。
気を取り直して、昼間、飲めなかったビールの飲みなおすことに。
が、みなさん、聞いてくれ。
ビールを飲みながら、食事をする処なんて見つからないのです。
何人にも聞いてみた。
誰もが「あそこに行けば飲んで食べられる」と教えてくれる。
が、教えられた全ての処にビールが置いてないのだ。
オレはだんだんと疲れて来た。
道路で遊んでいた若者達に、
「どこでもいいビールを飲めるところに連れて行け」
というと、若者は、ビールならば、店に売っているという。
判っている。
ビールを買いたいのではない。
ビールを飲んで食べるところに連れて行けってんだ。
オレの口調もだんだんと荒っぽくなる。
見せた200円札が効いたのだろうか、ひとりの男が「オレが連れてく」と、
名乗り出てくれた。
が、この男、オートバイを持っていない。
傍にいた友人に「貸してくれ」と頼み、オレはそのバイクの後ろに乗った。
が、特殊なバイクなのか、なかなかエンジンがかからない。
んで、かかったと思ったら急発進して、オレは振り落とされた。
転んだのでない、かろうじて飛び降りて、手と膝をついて、ケガはしなかった。
往年の運動神経が、まだ、若干残っていたのだろうか。
「お前はだめだ、バイクの持ち主が運転しろ」と、命じた。
まあ、そんな訳で、どこか判らないけど……、
10分ほど走って、海辺のとあるレストランに着いた。
魚を炭火焼で食べられる、中国人経営のまあまあの店であった。

が、ビール一本飲んで、
出て来た料理を食べようとすると、停電!!
真っ暗で、なにも見えない。
手探りで食べ、ほぼ食べ終わった頃に、電気が来た。
あああ、なんとも情けなや、今日のオレ、
ホテルに戻ったオレ、水シャワーを浴び、
冷房をガンガンかけて、午後9時、疲れて寝ることに…
が、目が覚めたら、びっくり….の話は、明日書きます。