バリ島は、やることが”ドハデ”である。
15日、ウブド王宮の葬式があった。
王家の制度が少しづつ廃止されつつあり、王様の葬式としてはこれが最後になるということ。
よくは知らないがバリ島には、10幾つかの王様がいるとのこと。
その中で3指に入るのがウブド王宮。
その大きな王宮の最後の王様の葬式である。
ドハデであって当然なのだろうが、その大きさと金銀キラキラにまさに肝がつぶれた。
行列が通るために、邪魔になる街路樹は、いとも簡単にチェンソーで切り倒す。
何十年もかかって大きく育ち、人々に木陰を与えてきや街路樹がこの日のために全部切り倒されるのである。
電線も切られ、街は停電になる。
そんなことは平気なのだ。
ウブドの街が、そして人々がこの日のために一致団結するのである。
写真は、牛のハリコ。 前足の筋肉の血管が浮き出ている様子も作ってあり、精巧である。
この牛の背中を開けるようになっており、そこに王様の亡き骸を入れ、牛と一緒に火葬にするのである。 よく分からないが、何でも王様は今年の2月ごろにお亡くなりになったらしい。
その日から、約半年、葬式のための日を選び、7月15日と決められたそうな。
それまで仮埋葬してあり、この日のために掘り起こして棺に入れたそうな。
王宮から火葬のためのお寺に運ぶまでの行列がものものしい。
中の写真をみて欲しい。
王様の棺が背の高い飾り車(そんな風に呼ぶのだろうか)の途中に納められる様である。
納めるまでの竹製の階段を誰かが「発射台」と言う。
まさにそのような感じである。
牛のハリコは相当に重く、坂を昇るときは、コロを使って50人ほどの若者がそれを動かす。
微動だにしない牛が少し動くと観客は拍手をする。
まあ、なんというか。 壮大な葬式である。
葬式のために作ったこれらのものは、全て一緒に燃やす。
火葬の予定が午後3時であったが、実際に火がつけられたのは、午後7時。
急ごうにも大きすぎて、動かずに時間が遅れたように思えた。
そういう時間の遅れに誰もが文句を言わない。
観光客もそれを当たり前のように受け止める。
ここはやはり、神々の島、バリ島だ!