現在、バリ島ではアートフェスタが行われている。
観光客のためではない。
バリ人によるバリ人のためのアートフェスタである。
入場料が無料であることがうれしい。
無料だなんて、日本では考えられない。
この舞台に立つために各地で練習が行われる。
その練習の成果を発表する。
発表できることが名誉であるそうな。
フェスタは一ヶ月も続く。
そんなに長いのに、会場には毎日何千人ものバリ人が訪れる。
私にとっては、昨日が二回目の観覧。
前回はケチャ踊りを中心に楽しんだ。
昨日はガムラン中心に観覧した。
発表の会場がいくつもあって、そのどれもが規模が大きい。
観覧するにも前もって時間と場所の狙いを定めておく必要がある。
昨日のガムランは子供達中心の演奏であった。
機械のように首や手を震わせながら、絶妙な音を作る子供達。
楽譜もなく、指揮者もいない。
耳だけで一斉に同じリズムや音を奏でる。
一年や二年で習得できない技術であることがすぐに分かる。
ガムランに合わせて、踊るのも子供達である。
その子供達の踊りも演技も素晴らしい。
観覧の大人がヤンヤヤンヤと演技に引き込まれて感嘆する。
日本の芸術も伝統がある。
しかし、一部の専門家であって層が薄い。
バリ島の伝統文化は、誰もが何かをできる。
その層の厚さに、頭をぶん殴られた思いがした。