これは、何だと思いますか。
風車の羽根なんです。
長さが30mもあるのに、高い船橋から見る
ので、こんなに小さくなって見えます。
ドイツ製の風車です。
今日七尾港に着いたんです。
風車の行き先? 能登半島です。
能登半島の何処かって? 知りません。
最近、風車を運んでくる船が多いんです。
能登半島が風車だらけになるのかなあ~。
ところで、この船、ベッカーラダーという舵
を持っています。 普通の舵よりも角度が
沢山曲がるんです。
それにバウスラスターと呼んでるんですけど、
船首にもプロペラがついているのです。 だから岸壁の近くでもくねくねと動くことができます。
船を操るオレ達にとっては、やりやすい船ってことになります。
そういえば、この船の船長、流暢な英語を喋るので、ヨーロッパ人と思ってたら、途中でロシア語で喋りだしたっけ。 ウクライナ人だったのかな。
最近の船って、一カ国の乗組員だけってこと、まずありません。 業界用語では、「混乗」って言うんですけど、言ってみれば多国籍職場なんです。 世間では「今やグローバル化」って騒いでいるようですが、船乗り社会は30年前からグローバル化していました。 みんな知らないだけなんです。
だって、船乗りは、土方、船方、馬方って呼ばれて、昔から世間の仲間に入れてもらえなかったので、関心をもたれなかったのです。
目立ちたがり屋のオレ向きではないんだよなあ、この職業。
今日も縄梯子が長く感じました。 登っても登っても甲板に着かないんです。
縄梯子が揺れる、冬場の日本海はイヤです。