あと一週間したら(11月22日)私は日本に帰る。
割れた腰骨の手術が可能かどうか再検査のための帰国だ。
手術できれば1月末、手術できなければ12月末にバリに戻る。
それまでの一時帰国だ。
2か月もバリの家を留守にするとなるといろいろある。
もっとも気になるのが親友のワヤンだ。
ワヤンとは彼が結婚前からの付き合いだ。
もう15年にもなる。
今は三人のお子さんのパパだ。
ワヤンの田舎には職がない。
彼は転々と職を探しながら今は床屋さんだ。
家の近くに場所を借りて店を開いている。
その場所の借り賃の契約が12月だ。
きっと契約金がないに違いない。
その12月には私はバリに居ない。
ワヤンを助けることができない。
日本にいてワヤンのことを悶々と考えて心配するのは嫌だ。
でワヤンに確かめた。
「ワヤン、床屋の場所代、再契約のお金あるのか?」
ない....との返事、「どうするのだ?」に黙ってしまうワヤン。
私はワヤンの性格を知っている。
彼はいくら困っていても私に無心することはない。
特に腰を痛めて動きがままならない私に要求などしない。
「ワヤン、待ってろ、日本に行く前に持っていく」
差し出がましい申し出だが、
ワヤンのためと言うより
日本に帰ってから悩むのが嫌なので私から申し出た。
で、昨日、再契約に相当するお金を持ってワヤンの家に行ってきた。
ワヤンの家に行くといっても簡単ではない。
家はブサキ寺院の手前、ここから二時間かかる。
腰を痛めた私が長時間の運転はできない。
で、友人の「みっちゃん」に頼んだ。
「ワヤンの家に連れて行って欲しい」
その理由を聞き、彼女は即座に「OK」と言ってくれた。
人を助けるために人に助けられる.....
助けることの喜び、助けられることの喜び.....
私は幸せだ(笑)。
で、昨日の私。
右がワヤン、左が奥さんだ。
ここはワヤン一族(5家族)が住む家々の中庭....
一昨日、一族の一員の結婚式があったための飾りつけをしている。
ワヤン、結婚式には何人来たの?
千人以上来た.....これを聞いた周りの人はみな頷く、
大げさではない、千人以上来たのだ。
バリの田舎はこんなものなのだ。
ワヤンは家系上、この一族の長だ。
こうしたセレモニーにお金が飛ぶように出てゆく。
床屋は開けば客が来るらしいが、
月の半分は何らかの行事があって店を開けられない。
場所代の契約金を貯めれる余裕なぞないのだ。
ワヤンはいっさい苦情を言わない。
家族のため一族のため、毎日汗をかいている。
手を抜かない、真面目だ。
だから助けたいのだ。
助けたいと思っても簡単に助けられない。
みっちゃんに助けられてワヤンの家に来ることができた。
左がそのみっちゃん。
昨日はこんな風で助け助けられた。
腰を痛めてからの私は助けるより助けられることが多くなった。
最近の例よりそれらを引っ張り出してみる。
例、その1
マタケン学校で日本語を教える....
ボランティア活動であり、助けている例にあげるも、
人の為になることをしているという私の生き甲斐にもなっていている。
例、その2
ご飯のおかずが届く....
私の古い教え子のエヴィさんは現在日本で働いている。
そのエヴィさんのお母さんからご飯のおかずが届く。
たっぷりすぎるほどにたっぷりある。
男の独り暮らしを十分に助けてくれる...ありがたい。
例、その3
庭の木々は遠慮をしない。
しばらく留守をするっていうのにどんどん伸びる。
こんな小さなバナナ畑に4本の房がさがっている。
私が居ない間にたわわになる。
どう処理したものか。
お手伝いのカデさんにお願いした。
お手伝いさんの守備範囲を越える。
かといって、彼女は追加の礼金を受け取らない。
左がカデさん、アリガトウ、心にすがるのみだ。
ついでに私の家の庭に落ちて来る果実だが、
右の赤いのがマルキサ、左がマンゴだ。
マンゴも熟れる前に落ちて来るのは甘くなくて渋い。
でも 「ルジャック」と言って、調理することで美味しく頂ける。
右のマルキサは少々酸っぱいのが美味しいらしい(私はダメだ)。
ルジャックもマルキサもお手伝いのカデさんは苦手だ。
が、ルジャックはコミン、マルキサはみっちゃんが、
食べるのを助けてくれる....無駄にならない。
と言う具合で、不本意だが、
腰を痛めて以降は助けられることが増えている。