昨日、菅、岸、石破の自民党総裁選の討論会があった。
討論会を直接見ることはできなかったが産経ニュースで発言内容を知った。
新聞では切り取り報道されるので評価は危険だが、
発言内容が余りにも三人三様で、性格が丸出しで、
オモシロイので書くことを遊びながら評価してみる。
(外交について)
岸田;
軍事力だけでなく経済でも米中が激しく競り合う中で世界秩序を考えなくてはならないところに難しさがある。
日米同盟を基軸に中国との対話の窓は決して途絶えさせてはならない。
石破;
米中が協力する世の中を作って行くことが日本の役割。
対等な日米関係を構築することが重要である。
アジアに日本の理解者を増やすことに努力してゆきたい。
菅;
中国は脅威であって様々な懸案があるが、引き続きハイレベルな機会を活用して主張すべき点は主張しながら課題を解決してゆくことが大事である。
(国家観について)
岸田;
優しい、公益にも資する持続可能な資本主義を考えて行かなければならない。
石破;
一人一人に「居場所」があり、一人一人が幸せを実感できる国を作らねばならない。
菅;
まずは自分でやって見る。そして地域や家族が互いに助け合う。その上で政府がセーフティーネットワークで守る。
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岸田への批評;
軍事力だけでなく経済でも米中が激しく競り合う中で世界秩序を考えなくてはならないところに難しさがある。
この言葉だけでは何を言っているか分からない。主語が分からない。多分、米中との関係を第三者的に評している発言だ。もし主語が日本なら、米中を横目で見ながら日本として世界秩序を考えて行くことになるが、それは当たり前に難しいし、且つ不可能である。要するに全体として自分が批評家になっている発言だ。
日米同盟を基軸に中国との対話の窓は決して途絶えさせてはならない。
それはそうだ。私個人としては、もう対話の必要もないところに来ていると思っているが、国の指導者としてはそんなに性急であってはならない。国を維持する責任がある。どんなことがあっても対話の窓を開いておくべきだろう。「日米同盟を基軸に」と前置きしていることを評価する。
優しい、公益にも資する持続可能な資本主義を考えて行かなければならない。
優しい公益にも資する資本主義とは何か...多分に社会主義を取り入れた資本主義ということだろう。現在の日本が概ねそうであるが.....「優しい」とか「公益にも資する」とかの文言にこだわると将来は社会主義化してゆく危険がある。
石破への批評;
米中が協力する世の中を作って行くことが日本の役割。
無理無理!!そんなことできない。世界の現状を理解していないままごと発言。
対等な日米関係を構築することが重要である。
石破がこんなことを言うと「米国からの意見にはどんなことでも反発する対等な力関係」と言う意味に聞こえる。文句だけ言うのが彼の心情だからだ。同盟を維持しながら共に世界の安定作りを目指す「思想上の対等」という意味ならば賛同できるが石破の場合はそんな風に聞こえない。
アジアに日本の理解者を増やすことに努力してゆきたい。
なーるほど。
一人一人に「居場所」があり、一人一人が幸せを実感できる国を作らねばならない。
出た!石破節だ~!!、具体的な行動が浮かばない言葉遊びたる石破節だが、いつも国民に向かって言っていない。マスコミに向かって言っている。東京の小池知事と同じ匂いがする。「無責任バカ」と一笑したい(笑)。ついでに彼の諸発言がマスコミ受けするメカニズムを解いておきたい。野党の仕事=マスコミの仕事=石破の仕事=政権批判....であるからだ。彼の演説を聞いていると「これは大切なことである」「こう考えねばならい」「何故ならばこうであるからだ」「だからこう考えねばならない」「なぜなら大切だからだ」と言う風に行きつ戻りつして1分で喋れるところを30分も喋る。頭が整理されず言葉の羅列の整理のみしている。野党の国会追求と同じだ。生産性がない。だから、橋下徹から「野党の党首を目指したらどうですか」などと言われる。
菅への批評;
中国は脅威であって様々な懸案があるが、引き続きハイレベルな機会を活用して主張すべき点は主張しながら課題を解決してゆくことが大事である。最初に「中国は脅威である」と発言している。当然だが現状を正確に把握し正直に口に出している。このことを評価する。岸田や石破の様に米中を横目で見る立場にいない。全体的に安倍総理がやってきたことを継承する気構えが読み取れる。
まずは自分でやって見る。そして地域や家族が互いに助け合う。その上で政府がセーフティーネットワークで守る。 良く言った。そのとおりだ。今の日本に足りないことを正直に言っている。これは国民への怒りの言葉だ。「国民の皆さん、他人の所為にしてはいけません。全て自分の所為です。そうした責任感のもとの自己完結型であって欲しい。そのためにいろいろ努力して欲しい。努力してもどうにもならない時のみ国が助けます。その順序を忘れないでください。甘えていちゃ国もよくなりません」と怒っている.....と私は捉えた。国民に媚びを売らない久しぶりのほんものの政治家だ。
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さて、ということで、菅総理が決まった中で批評してみた。
今日は喋りたいので、ここで終わりません。
ここからは私の勝手な戯言をもう少し聞いてください。
私には、安倍が辞めたらすぐに「菅」だと解った。世界がぐるぐる動いている中、コロナまで現れた。こういう中で国を維持するのは剛腕でないとできないからだ。剛腕と言ったら、過去にも居た。竹下派7奉行の一人である梶山静六だ。当時のことを覚えている方は解るだろうが「平時の羽田、乱世の小沢、大乱世の梶山」と言われた。菅は梶山の元で梶山流を学んできている。梶山の剛腕さも学んできている(銀行の統一が梶山の持論だったが菅もそれを目指している)。コロナ渦、中国の脅威、今はまさに大乱世だ。菅でないと国が持たない、ということで私は、早くから菅を予想し当てた。だけど間違っていたこともあった。緊急の中継ぎと思っていた。ただ実力があるので中継ぎをしている内に国民に認められ、もしかしたら次の次もあるかも知れない。でも派閥を持たないのだから緊急の短期になる筈と読んでいた。それがなんと、麻生派、細田派、竹下派、石原派、二階派の全部が支援する、菅総理への大合唱になってしまった。こうした大合唱を受け国民も合唱に加わるように思う。となると国を挙げての菅総理になる。思いだして欲しい。小泉総理が出て来た時だ。国会議員に人気がなかった小泉が国民人気で一気に総理になった。その人気を盾に「自民党をぶっつぶす」で持論の郵政民営化を進めてしまった。勢いというのは恐ろしい。今、その勢いが菅に付いている。私は短期政権なので、自分が出たあとの官房長官を河野、河野がでたあとの防衛大臣を小野寺と読んで、それ以上を考えていなかった。が、長期政権になるようだったら、こんな布陣ではダメだろう。菅が総理として力を出せる本格的な陣営にしなければならない。本格的な陣営とは何か。剛腕さを発揮できる陣営だ。剛腕さを発揮できるとは何か。根回しができること(私は嫌いだが)だ。河野防衛大臣は全く根回しが下手だ。突然に変な発言をする。瞬間的に壊してしまうことがある。私は菅政権は短期だからそんな河野が官房長官でも良いと思って来た。長期となるならば、根回し上手な官房長官を選ばねばならない。誰だろうか。無難なところで森山しかいない。国会対策委員長の森山宏だ。先日初めて知った話だが、安倍総理が身体を壊している間、野党から「国会を開け、開け」の声が飛んで来た時、なにがなんでも「NO」とはねつけたのは森山だった。力もあるようだ。森山なら良いかも知れないと思った理由は二つある。ひとつは石原派だということ。麻生派、竹下派、細田派の主流三派ではない。だから、主流三派間の奪い合い(喧嘩)にならない。それにもう一つは年齢だ。現在75歳、二階と言う「根回し屋」は現在81歳、菅総理という「根回し上手」は71歳、森山はその二人の間の年齢だ。右の政府(菅)を見て、左の党(二階)を見てその間に入って「根回し」してゆくのではなかろうか。年齢が丁度良い。まあ、私が大臣を予想しても何の役にも立たない。ただ、現在、世界はそして日本は、未曽有の変遷の時期にある。なんとか果敢に「日本此処に有り」と世界に存在感を見せて欲しいのだ。だから国民のひとりとして考えている。個人的には二階は大嫌いだ。私は思うが、菅も二階を好きでない筈だ。ただ、自分の好き嫌いでは動かない老獪さが菅にある。自民党を牛耳る力が二階にあるならば、二階を利用するのではなかろうか。であれば、幹事長は二階のままだろう。それくらいは狸にならないと政治家が務まらない。菅という男は国(日本)のためなら狸になれる男と読んでいる。