あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



今年の State of the Union

1月31日、トランプ大統領が議会で演説した。
アメリカは、三権分立が確立されている。
行政府の大統領は立法府の議会に足を踏み入ることができない。
下院議会議長が大統領に招待状を出した時だけ議会に入ることができる。
それが、毎年この時期に行われる「State of the Union(一般教書演説)」だ。

その演説だが、
藤井厳喜(国際政治学者)に依れば、
失業率が過去最低を維持し中間層の平均所得が過去最高を背景に、
堂々たるトランプの演説だったそうな。
余りにも立派な演説だったので、
トランプが演説を終わり、拍手を受けると、腹をたてた、
ナンシーペロシ下院議長(民主党)が、演説の原稿を破ったという。
オモシロイ!
その時の映像を探したら、あった、これだ!
State of the Union は、全米にテレビ放映される。
4千万人のアメリカ国民が観ている。
で、全米に向けてのパフォーマンスなのだろう。
なんだか、子どもっぽい....でも、アメリカらしい(笑)。

今年の State of the Union_d0083068_07260615.jpg
さて、今年の State of the Union につき、書きたい。
   元ネタは及川幸久(国際政治コメンテーター)....
   及川幸久は投資銀行メリルリンチに勤務し、ウオール街で
   投資コンサルタントをしていた。
   その頃から国際政治コメンテーターとして、米国のテレビや
   ラジオ番組に250回以上出演した経歴を持つ。
   情報の正確さから私は及川幸久を時々ワッチしている。
その前に、State of the Union の意義について勉強しておきたい、


State of the Union の意義を教えて......

アメリカは、三権分立が確立されている。
法律を作るのは立法府たる議会だけだ。
大統領は行政側だから法律を作れない。
大統領は議会に入ることすらできない。
但しそんな大統領が議会に入ることが許される時がある。
下院議長が大統領に招待状を出して迎え入れた時だ、
「その時」は慣習化されている。
年に一回の「State of the Union」の日だ。
State of the Union に出席できる者も次の決まりがある。
1、招待されたアメリカ大統領
2、招待した下院議長
3、上院議長
4、下院上院両院議員
5、司法として最高裁の判事達
6、特別に招待された者達(傍聴席)

ええ? おかしいじゃないの?
写真ではペンス副大統領が映っていたけど?
彼はどうして参加できたの?

違う、見てくれ、
今年の State of the Union_d0083068_05313544.jpg
トランプの右後ろは、下院議長だ。
左のペンスは上院議長としての資格で出席している。
米国では、上院議長を副大統領が兼任することになっている。

わかったわ、
じゃ、State of the Union の意義について続けて!

うん、
アメリカでは大統領が法律を作れないよね。
でも作って欲しいと思うよね。
そういう時、通常は書面で届けることになっているけど、
State of the Union の時は口頭で伝えることができるんだ。
だから、State of the Union の目的は、
大統領がアメリカ議会に、こんな法律を作って欲しいと、
口頭でお願いする発表会ってとこなんだ。
ただ、State of Union の直訳は「合衆国の現状」だよね。
直訳どおり、合衆国の現状はこうだから、こんな法律が必要だ。
という順序で喋ることになる。
で、施政演説をしながら議会に法律をお願いするってことになる。
それを解りながら、State of tha Union を見て欲しい。

わかったわ。
今年のトランプは、議会にどんなことをお願いしたの?

お願いする時のトランプだけど、実にうまいんだな~
傍聴席にあらかじめ人を呼んでいるんだ。
そして、その人を議員に紹介する。
紹介することそのものが物語になる。
物語を語りながら訴えるんだ。
トランプが訴えたことを見てみるね。
まずは、
未熟児が生き残れることをサポートする法律を作って欲しい....
というお願いなんだ。
写真のエディちゃんが紹介された。
今年の State of the Union_d0083068_10120161.jpg
彼女は現在2歳。
絶対助からない程の極端な未熟児で生まれた。
奇跡的に助かった。
彼女のように助けられる未熟児を増やしたい。
そのための医療の研究ができるような法律を作って欲しい。

そう、そんなこともお願いするの?

アメリカは合州国でしょう。
州によって、政策が違う。
違い過ぎて全体のバランスがとれないことも訴える。
犯罪者に甘すぎるカリフォルニア州の現状を訴えたんだ...
トランプは傍聴席の一人の男を紹介した(写真)。
今年の State of the Union_d0083068_10200813.jpg
不法移民であって、犯罪を犯した者を
カリフォルニアでは簡単に釈放してしまう。
釈放されてすぐにその者は彼の兄を殺した。
こういうことがあってはいけないと訴えたんだ。

カリフォルニア州ってそんなに甘いの?

そう、罪人の集まりになっているようだよ。
ペンシルバニア州の施政の拙さも訴えている。
トランプは、次にこの親子を紹介した。
今年の State of the Union_d0083068_10250256.jpg
シングルマザーとその子供のスティファンが紹介された。
スティファンはアートと数学が得意だが、
そのための学校も選べず奨学金も貰えない。 
こういう将来の若者に道を開く「スクールチョイス制度」がある。
でも、ペンシルバニア州では、この制度の活用が遅れている。
そのことを訴えたんだ。
この後、トランプはサプライズを話した。
「みなさん、聞いて欲しい」
「ステファンさんに奨学金が出ることが決定された」
ここで、議員が総立ちになり、ステファンさんを祝福した。

まるで、ショーね。

そう、それはそうなんだけど。
4千万人のアメリカ国民がテレビ中継を見ているんだよ。
効果があると思うよ。
そしてね。
ここからはトランプのお願いではないんだ。
お願いではなく自分が今何を考えているかを訴えるんだ。
まずは、こんな母と子を紹介した。

今年の State of the Union_d0083068_10320843.jpg
2008年、この男の子は一歳だった。
この子の父は、バクダッド市内をパトロール中に地雷で死んだ。
その地雷をしかけたのは、イランの革命防衛隊だった。
今年1月、米国は革命防衛隊のソレイマニー司令官を殺した。
米国民を殺すテロを許す訳にはいかない。

なーるほど、
ソレイマニー司令官を殺した理由を正当化したのね

そう、そして、次が、
今年の State of the Union のハイライトだったんだ。
こういう親子を紹介した。
今年の State of the Union_d0083068_10393072.jpg
このお母さんの夫は中東に4回も派遣されている。
ほとんど夫は海外に居るので一家は寂しい思いをしている。
でも彼女は、自分だけが寂しいのではない。
海外に派兵している軍人の家族は一様に寂しい。
で、そのようなご家族を支援するためのボランティアを始めた。
彼女によって、元気を得た留守家族が多い。
トランプがここまで語ると、議員たちは総立ちになり、
彼女の行為をたたえる拍手を送った。
拍手が鳴りやむのを待ち、トランプが重ねて言った。
「実はサプライズがあります」
「夫が4回目の海外勤務を終え、今日ここに戻っています」
勿論、妻は夫が帰っていることを知らなかった。
夫が妻の元に歩み寄った。
今年の State of the Union_d0083068_10475806.jpg
妻は泣き、議員たちももらい泣きした。
二人の再会に拍手の波が寄せ、止むことがなかった。

そうなのね。
それは感動ものよね!

ただ、この話、それにひとつ前の話。
これを語る中にトランプの訴えたい意味が隠れているんだ。
終わらないアフガニスタンへの派兵....
中東への派兵....
もし、大統領として再選されたら、こういう海外への派兵....
をできるだけ速やかに撤兵したい。
という意味が隠れているんだ。
テレビを見ているアメリカ国民はそう受け取ったようだよ。

なーるほど、アメリカ的ね~
もりかけ、さくら....の不毛な戦いをしている日本の....
国会って、まるで「幼稚園生の放課後の集い」のようね~

痛烈だね。
政治家といえば、昨日、面白い話を聞いたよ。
今日の話と関係ないけど書くね。
ホンダの創始者、本田宗一郎の講演からなんだけど...
今の世の中、肝臓移植や心臓移植など、なんでもできるようになった。
今後、欲しい臓器を選べるような時代が来るだろう。
そういうことを考えている本田宗一郎がフランスに行った時だ。
臓器の安売りをしている。
興味があったので、その臓器市場に行ってみた。
「脳」が売っていた。
きれいな脳なのに、格安で売っていた。
どうして、そんなにきれいなのですか?
と聞いてみた。
と、店主が言う。
使われていません。
ですから真新しいんです。
どういう人の脳だったのですか。
政治家です。.........だって!

by yosaku60 | 2020-02-09 10:56 | 国際時事ニュース | Comments(0)
<< また、またバナナの実が成っていた。 好きになったジョコウイ大統領 >>

カテゴリ
画像一覧
以前の記事
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月