あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



今あらためて読みたい、市丸利之助の手紙

硫黄島の戦いは日本陸軍だけではない、海軍も戦った。
(日本陸軍:13586名、 日本海軍:7347名)
陸軍を率いた栗林忠道中将のことは誰もが知っている。
が、海軍を率いた市丸利之助少将のことは余り知られていない。
栗林中将の突撃前の「最後の電文」は誰もが知っている。
が、市丸少将の「ルーズヴェルトに与うる書」のことは余り知られていない。
栗林中将は、日本向けに「最後の電文」を送った。
が、市丸少将は、米国向けに「ルーズヴェルトに与うる書」を送った。
だから....
日本では知られてないが、米国ではよく知られている。
米国内の様々なメディアに紹介され全米で大絶賛された。
「ルーズヴェルトに与うる書」は、アメリカの海軍兵学校.....
アナポリス博物館に今も大切に保管されている。

現在の世界....
いろいろなところでいろいろな紛争が絶えない。
市丸利之助少将の書いた「ルーズヴェルトに与うる書」は、
こうした紛争の火種がどこにあるか、今尚指摘している。
今こそ、もう一度読んでおきたいと、ここに紹介する。

市丸利之助は3月26日の総突撃で戦死した。
その9日前の3月17日...
市丸は「ルーズヴェルトに与うる書」を書いた。

地下20mの洞穴の中で書きあげた市丸は、動ける者を全員集めた。
副官である間瀬式次中佐が、その「書」を読み上げた。
朗読が済むと和文の方を通信将校の村上大尉が腹に巻き付けた。
ハワイ生まれの三上弘文兵曹が英文に翻訳したものは赤田邦夫中佐が身につけた。
市丸少将は軍服にある一切の肩章を外し、ひとりの皇国臣民として突撃し散華した。

米海兵隊員が二人の遺体から、この「ルーズヴェルトに与うる書」を発見した。



ルーズベルトに与うる書

今あらためて読みたい、市丸利之助の手紙_d0083068_15092352.jpg
日本海軍 市丸少将がフランクリン・ルーズベルト君にこの手紙を送ります。
私は今、この硫黄島での戦いを終わらせるにあたり、一言あなたに告げたいのです。
日本がペリー提督の下田入港を機として世界と広く国交を結ぶようになって、およそ100年。
この間、日本国の歩みとは難儀を極め、自らが望んでいるわけでもないのに、日清、日露、第一次世界大戦、満州事変、支那事変を経て、不幸なことに貴国と交戦するに至りました。
これについて、あなたがたは日本人は好戦的であるとか、これは黄色人種の禍いである、あるいは日本の軍閥の専断などとしています。
けれどそれは、思いもかけない的外れなものと言わざるを得ません。
あなたは真珠湾の不意打ちを対日戦争開戦の唯一の宣伝材料としていますが、日本が自滅から逃れるため、このような戦争を始めるところまで追い詰められた事情は、あなた自身が最も良く知っているところです。
恐れ多くも日本の天皇は皇祖皇宗建国の大詔に明らかなように養正(正義)、重暉(明智)、積慶(仁慈)を三綱とする八紘一宇という言葉で表現される国家統治計画に基づき地球上のあらゆる人々は自らの分に従って、それぞれの郷土でむつまじく暮らし恒久的な世界平和の確立を唯一の念願とされているに他なりません。
このことはかって、四方の海 皆はらからと 思ふ世に など波風の 立ちさわぐらむ という明治天皇の御製があなたの叔父であるセオドア・ルーズベルト閣下の感嘆を招いたことで、あなたもまた良く知っていることです。
わたしたち日本人には、いろいろな階級の人がいます。けれどわたしたち日本人は様々な職業につきながら、この天業をたすけるために生きています。
わたしたち軍人もまた干戈をもってこの天業を広く推し進める助けをさせて頂いています。
わたしたちは今、豊富な物量をたのみとした貴下の空軍の爆撃や艦砲射撃のもと、外形的には圧倒されていますが精神的には充実し、心地ますます明朗で歓喜に溢れています。
なぜならそれは、天業を助ける信念に燃える日本国民の共通の心理だからです。
けれどその心理は、あなたやチャーチル殿には理解できないかも知れません。
わたしたちは、そんなあなた方の心の弱さを悲しく思い一言したいのです。
あなたがたのすることは、白人とくにアングロサクソンによって世界の利益を独り占めにしようとし有色人種をもって、その野望の前に奴隷としようとするものに他なりません。
そのためにあなた方は奸策をもって有色人種を騙し、いわゆる「悪意ある善政」によって彼らから考える力を奪い無力にしようとしてきました。
近世になって日本があなた方の野望に抵抗して有色人種ことに東洋民族をして、あなた方の束縛から解放しようとすると、あなた方は日本の真意を少しも理解しようとせず、ひたすらに日本を有害な存在であるとして、かっては友邦であったはずの日本人を野蛮人として公然と日本人種の絶滅を口にするようになりました。
それはあなた方の神の意向に叶うものなのですか。
大東亜戦争によって、いわゆる大東亜共栄圏が成立すれば、それぞれの民族が善政を謳歌します。
あなた方がこれを破壊さえしなければ全世界が恒久的平和を招くことができる。
それは決して遠い未来のことではないのです。
あなたがた白人は、すでに十分な繁栄を遂げているではありませんか。
数百年来、あなた方の搾取から逃れようとしてきた哀れな人類の希望の芽をどうしてあなた方は若葉のうちに摘み取ってしまおうとするのでしょうか。
ただ、東洋のものを東洋に返すということに過ぎないではありませんか。
あなたはどうしてそうも貧欲で狭量なのでしょうか。
大東亜共栄圏の存在は、いささかもあなた方の存在を否定しません。
むしろ世界平和の一翼として世界人類の安寧幸福を保障するものなのです。
日本天皇の神意は、その他にはない。
たったそれだけのことをあなたに理解する雅量を示してもらいたいと、わたしたちは希望しているにすぎないのです。

ひるがえって欧州の情勢をみても相互の無理解による人類の闘争がどれだけ悲惨なものか痛嘆せざるを得ません。
今ここでヒトラー総統の行動についての是非を云々することは慎みますが、彼が第二次世界大戦を引き起こした原因は、一次大戦終結に際してその開戦の責任一切を敗戦国であるドイツ一国に被せ、極端な圧迫をするあなた方の戦後処理に対する反動であることは看過することのできない事実です。
あなたがたが善戦してヒトラーを倒したとしても、その後どうやってスターリンを首領とするソヴィエトと協調するおつもりなのですか。
およそ世界が強者の独占するものであるならば、その闘争は永遠に繰り返され、いつまでたっても世界の人類に安寧幸福の日は来ることはありません。
あなた方は今、世界制覇の野望は一応は実現しようとしています。
あなたがたはきっと得意になっていることでしょう。
けれど、あなたの先輩であるウイルソン大統領はそういった得意の絶頂の時に失脚したのです。
願わくば私の言外の意を汲んでいただき、その轍を踏むことがないようにしていただきたいと願います。  


.......

硫黄島には今も祖国に帰れない遺骨が一万余柱あります。
その遺骨の上に滑走路があります。
先般、硫黄島に行った安倍総理....
滑走路に降りるやいなや膝まづき...
遺骨の上を歩く事の非礼をお詫びした写真です。
今あらためて読みたい、市丸利之助の手紙_d0083068_09561455.jpg

by yosaku60 | 2019-09-11 09:39 | Comments(0)
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