あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



現在の世界三大不安(その1;香港問題)

「世界三大不安」の最初は「イラン不安」を書くことにしていたが、
今朝の新聞は、こぞって香港デモの話ばっかり....
で、ブログも中国の不安として「香港問題」を取り上げることにした。

先に私が想像する結論から書くと、.....
いずれ北京政府は香港市民への弾圧に踏み込むだろう。
理由は簡単、「弾圧せざるを得なくなる」からであり、
いつまでも香港警察に任せておけなくなるからであり、
香港行政長官の要請を受けた形での介入という形をとる。
ただ、弾圧の仕方だが、
軍隊を動員しての天安門事件の再来はないものと思う。
徐々に逮捕者を増やして、その者らの処分を厳罰にし、
香港市民に恐怖心を煽り服従させる方法を採ると思われる。

ということで、
今朝の新聞の写真を織り込みながら、話をする。
まずはデモ隊は何を訴えているかであるが、四つある。
現在の世界三大不安(その1;香港問題)_d0083068_11575367.jpg
1、林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官の辞任。
2、逮捕者の釈放。
3、逃亡犯条例の完全廃棄。
4、行政長官の直接選挙。

現在の世界三大不安(その1;香港問題)_d0083068_12055553.jpg
この要求の中で最も難しいのは「行政長官の直接選挙」だ。
なぜなら、憲法(香港基準法)の改正が必要になるからだ。
憲法改正には北京政府の同意が必要である。
そういう改正案を北京政府が呑む訳がない。

    現在、香港の行政長官だが、1200人の選挙委員が投票して
    決めることになっている。
    但しこの1200人は全て中国寄りの住民で構成されている。
    さらに議会の議員もほとんどが中国寄りで構成されている。
    唯一「香港民主党」という市民派がいるが、数が少ない。

現在の世界三大不安(その1;香港問題)_d0083068_12285496.jpg

先日、アメリカは中国に追加関税(10%)を決めた。
これで、中国からの全輸入品に関税がかかった。
その影響を受けて、中国の人民元が急落した。
アメリカはこの人民元の急落を為替操作だと攻めている。

これには、中国が怒った。
「G20」で新たな追加関税なしに協議を続けることを合意した。
なのに、上海での一回だけの協議のあと追加関税に踏み切った。
これって、約束違反だろうがと怒った。

てな訳で、現在、米中の貿易戦争はさらに過熱している。
それらは、香港デモと全く無縁ではない。
香港デモに関しての....
香港政府、北京政府、米国議会の言い分を書いてみる。

現在の世界三大不安(その1;香港問題)_d0083068_12385852.jpg
(香港市民にたいする香港政府の恫喝)

1、香港政府は常時北京政府と連携している。
2、香港政府が要求すれば北京はすぐにでも介入してくる。
3、逮捕者の処分を急ぐ用意がある。

(アメリカに対する北京政府の言い分)

1、すでに90日以上デモが続いているが資金の出処があるはずだ。
2、アメリカのCIAが資金を出しているのではないのか。
3、今年の3月に「香港民主党」のマーテン・リーがアメリカに行った。
4、あれは、香港デモを起こす打ち合わせではなかったのか。
5、なぜなら、その後の5月からデモが始まったじゃないか。
6、追加関税と香港デモに時期的関連が感ぜられる。
7、アメリカは香港問題を利用して中国を攻めようとしている。
8、中国は、こんな理不尽なアメリカとは最後まで戦う。

(北京政府に対するアメリカの言い分)

1、香港デモは人民の蜂起であって起こるべくして起こった。
2、デモ隊に催涙ガスを使ったのは許せない。
3、アメリカは香港問題について今後も口先介入を続ける。
4、アメリカは香港に対して貿易の優遇措置をとってきた。
5、その優遇措置をなくす準備もしている。
6、香港政府の要人がアメリカに所有の資産を凍結する準備もある。

.........

つらつらと状況だけを書いたが、読んで見てお分かりかと思う。
香港問題は解決の道が見えない。
香港は50年の自治が認められる約束でイギリスから委譲された。
その50年までは、まだ25年も残っている。
それまでは中国の中の自治国家でなくてはならない。
それを死活問題として切実に願う香港市民と...
それを認めない北京政府とそれにおもねる香港政府....
の戦いの解決の道が見えない。
ということで、冒頭の結論になる。
いずれ北京政府が香港市民を弾圧する.....と思うのだ。


おっと、書き忘れた。
「中国の不安」に言及するんだった。
中国を「為替操作国」として指定した昨日の米国の声明は、
財務省からの公式声明である。
ということは、通貨、金融に関して、今後なんらかの制裁を
かける可能性がある。
いよいよアメリカは本気モードを出してきた。
行き場がなくなると、中国も暴れるかも知れない。
その時は「「中国の不安」が「中国からの不安」に変わる
かもしれないことを日本は知っておくべきだ。
即ち、
今日の香港........   
明日の台湾........   
明後日の沖縄.....
である。

by yosaku60 | 2019-08-06 13:16 | 国際時事ニュース | Comments(0)
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常時ほろ酔い候

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