米国の国防権限法とは...
アメリカの国防権限法とは何か。過去にもこのブログで書いたことがある。重複するがもう一度書く。国防権限法とは国防に関連して必要ならば、その時から将来の5年間にわたって使われる予算をあらかじめ承認する法律で毎年策定され大統領のサインひとつで法が執行される。と言ってみると難しいが、早く言って「アメリカの国防に必要であれば大統領はサイン一つでなんでもできてその効力は5年に亘って有効である」と読むと解りやすい。で、今年の8月13日にトランプ大統領がサインした「国防権限法」を見てみる。
8月13日、トランプがサインした国防権限法.....
1、2019年までアメリカ政府及び政府機関と取引する業者は
ファーウエイ(華為技術)とZTE(中興通訊)の2社の製品を使ってはならないし調達してはならない。2、2020年8月までに「ファーウエイ(華為技術)とZTE(中興通訊)の2社の製品を使わないという誓約書」を出さない業者はアメリカと取引できない。
アメリカは、この国防権限法をもとに同盟国に「協力依頼」を通知して来たが、この法律の趣旨を見れば解るように協力依頼ではない。従わないとそのうちアメリカとの貿易できなくなるよ、という一種の脅かしである。
日本の企業はアメリカの国防権限法に疎すぎる....
ということで私は思う。ここ最近のファーウエイ拒絶の問題は今年の8月の時点で解っていたはすだ。何故に今になって大きく騒ぐのだろうか。たとえば投資会社としてプロ中のプロであるソフトバンクにしてだらしない。8月の時点でファーウエイ製品を使わないと宣言しておけば、先日の東京第一部株式上場の初値が1500円を超えただろうに(裏の裏があってこれでソフトバンクは儲けたのかも知れないが).....いずれにしても、先日安倍首相が訪中した際、日本の企業が金魚の糞のようにくっついていって中国と新しい商談を持ったらしい。私は、日本の企業の社長連は、ここにあげたアメリカの国防権限法の厳しさを知らないのではないかと危惧する。その原因だが日本の大手企業の社長はサラリーマン社長が多い。短い自分の任期の中で業績があがれば後は知らない、という無責任さがあるからではなかろうか。
アメリカの協力依頼を受け世界はどうなってゆくか....
アメリカの要請を受け、同盟国は次から次とファーウエイ(華為技術)とZTE(中興通訊)の2社の製品を使わないと発表しだした。まずはFive Eyesであるオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスが真っ先にファーウエイ(華為技術)とZTE(中興通訊)の2社の製品を使わないと発表した。続いて日本も発表した。日本の場合、KDDIはエリクソンを使っていた。NTTはノキアを使っていた。問題はソフトバンクであった。ソフトバンクは5G(次世代通信インフラ)をファーウエイを使って開発する計画であったが、それを撤廃した。さらに現在使っている4Gのファウエイ製通信インフラを段階的に切り替えていくことも発表した。ドイツもドイツテレコムがファーウエイを使わないことを発表した。フランスもオレンジがファーウエイを使わないと発表した。まだ発表が遅れている国もあるが、NATO軍に属する国は、いずれ全てがファーウエイを排除すると思う。でないと、お互いの通信に信用がおけなくなるからだ。しかし、当然にファウエイを使い続けるという国もあると思う。中国製の通信インフラを使うかどうかで世界が2分されるということだ。世界戦争ということだ。であるが、勝負は見えているように思う。中国が「まいりました」というのに何年かかるかを測るだけだ。