安倍総理の現在の懸案事項(私が勝手に思う)....
の、今日は、北方領土問題....
北方領土については、このブログでは次のようにとりあげてきた。
(赤字をクリックすると読める...)
9月に入ってプーチンが公衆の前で今年中の平和条約を口にした。
この時の私の評価は次に書いている。
北方四島問題全般にわたって書いているので是非に読んでいただきたい。
これらの前言を踏まえた上で書き加えたい。
いろいろあった北方四島問題だが、そもそも論で行けば「ダレスの恫喝」から迷走が始まった。
ダレスの恫喝.....
1956年10月の鳩山一郎首相とブルガーニン首相が「日ソ共同宣言」に署名した時の話だ。実は直前まで日本側も二島返還でほぼまとめていた。そんな国会答弁が残っている。と....二島返還でまとまりそうな気配を察しアメリカから怒りの恫喝があった。「二島返還でまとまるようならアメリカは日本に沖縄を返還しない」「沖縄を返還して欲しいならソ連に四島返還を要求し続けろ」これが「ダレスの恫喝」と呼ばれるアメリカの要求だ。何故に恫喝して来たのか。日本とソ連が仲良くなるとアメリカが困るからだ。で、絶対に解決しそうもない「四島返還を要求し続けろ」と要請してきたのだ。日本はアメリカの恫喝に屈した。で、ソ連には「四島返還」を要求し続けた。当然にソ連は反発する。ソ連を引き継いだロシアも日本に反発し続けた。これがその後60年続く北方四島問題なのだ。
私から言えば日本の方が悪い。そして日本はさらに悪さをしている。対ロシアへの要求を日本の政権が変わるたびに或いは外務大臣が変わるたびに微妙に変えるのだ。要するにゴールを微妙にずらしたのだ。これに対しロシアは一貫して同じゴールを示している。プーチンにしても18年間、言動を変えていない。右往左往する日本の方が分が悪い。恥ずかしい話だ。日本側の特に日本国民が勉強不足なこともある。四島はもともと日本の領土と固執しすぎている。固執する理由もあるにはある。但しロシア側にも言い分がある。その間の微妙な違いを勉強する必要がある。基本的には戦争でとられたものは戦争でしか取り戻せない。話し合いだけで折り合いをつけようとするならば、双方の中間点で折り合いをつけるしかない。それが二島返還なのだ。攻める軍隊を持たぬ日本が、原則論だけでいつまでも我を張ろうというのが間違いだ。北方四島返還に固辞するなら「攻める軍隊」を持つことぐらい国民で決めなければならない。憲法90条なんか当然に改正すべきだ。それもせずにおいて「四島返還」を言い張る国民や国会議員が多すぎる。
いずれにしても、北方四島は「二島返還プラスアルファ」で解決つくことが目に見えてきた。嬉しい話だ。ここで言っておく。「二島返還プラスアルファ」と「二島先行返還」とは意味が全然に違う。前者はロシアは納得する。が後者はロシアは納得しない。前者はロシアにとって前向きなのに対し、後者は争いの種を残す。後ろ向き解決だからだ。これからのロシアと日本、世界と日本、を考える時、前者でもって早く平和条約を締結した方が良い。平和条約にしても私は言い分がある。平和条約締結後に二島返還か、二島返還が先にあってその後の平和条約か、との話である。昔のソ連であったら重要な点である。が民主化したロシアは昔のソ連ではない。しかも30回近く首脳どうしが話し合っている。私は安倍総理は「OK、平和条約を先に締結しよう、領土問題はその後で...」と言いたいと思っている。それでも確実に二島は返還されるという感触を得ていると思う。だが、それを言えない。何故なら、そんなことを言おうものなら、日本国民や国会議員の反発が予想されるからだ。だが、私は言いたい。今後のロシア外交を考えるなら、ロシア政府にもロシア国民にも、ここで恩を売っておいた方がよい。その時には、平和条約が先だ。で、もし、私が安倍総理ならばつぎのように言うだろう(笑)。
「私はプーチン大統領とロシア国民を信用する」
「であるから、まず先に平和条約を締結する」
「歯舞、色丹の二島は返還されるものと信ずる」
「国後と択捉については、ロシア領のまま両国がウインウインの経済協力を期待する」
今日の結論...
そういう風に言えない安倍総理、国民へのお気遣い、ご苦労様。