あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



バリ島残留日本兵の兵士名について(補足)

一昨日のブログ、
日本敗戦後にバリ島で命を落とした日本兵46名....
について、書きました。

ご遺族の方など、
将来、私の記述を調べ直す方がおられると思います。
そういう方のため、言い足りなかったことを追記します。

Canggu Buns / Kt Sunia の標記に関して

バリ島残留日本兵の兵士名について(補足)_d0083068_742311.jpg

( Buns について)

Buns と書いてありますが、
これは、Bung の間違いです。
なぜなら、慰霊碑には、次のとおり、Bung と書かれております。
Bung の意味ですが、日本語で言えば、
「さん」 とか 「氏」 に代わる敬称です。

(後日訂正)
Bung と書いてありましたね。
老眼鏡をかけずに読んだので、Buns にみえてしまいました。
あわてものです。
バリ島残留日本兵の兵士名について(補足)_d0083068_7575999.jpg


( Jianggu について )

これは、Canggu と同じです。
バリでは、昔はこのように書くこともありました。
例えば、現在、日本は、 Jepang と書かれますが、
昔は、Djepang と、書かれたものもあります。

( kt について )

これは、Ketut の意味です。
即ち、第4子か第8子ということです。
大舘のバリ名は、Nyoman Sunia です。
Nyoman とは、第3子か第7子と言うことです。
バリ人にとっては、Nyoman であるか、 Ketut であるかは、
大きな違いです。
もし間違えれば、致命的ミスになります。
こういうミスは、しないものと思われます。
Kt Sunia が大舘ではない、と私が判定した根拠でもあります。

( Sunia について )

実は、ketut Sunia によく似た名前で、
ketut Senio (クトット・スニョー)と呼ばれた残留日本兵がいます。
戦後も生き残った平良定三氏が、書き留めているのです。
平良定三氏は、戦後まもなくは大舘の名を知らなかった形跡があります。
かと言って、クトット・スニョーが大舘、ということは考えられません。
平良氏は、バリ語に精通しており(奥様がそう語る....)
Ketut と Nyoman を間違うということが考えられないからです。
いずれにしても、
大舘のバリ名である、ニョーマンスニアと、
クトットスニア や クトットスニョー は、別人と思われます。




高木米治の戦死場所について

高木米治さんには、遺児がおられます。
写真の右がお孫さん、その次が遺児のアリニさんです。
バリ島残留日本兵の兵士名について(補足)_d0083068_858243.jpg

アリニさんの家には、高木米治のことを書いたもの(日本語)がありました。
日本のご親戚の方がお調べになったものとのことです。
その調書には、高木米治の戦死場所が、ワナサリとなっていました。
ワナサリで戦死した日本兵は、ブンアリとブンマデです。
そのブンマデが高木米治である、としていたのです。
高木米治のバリ名は、マデ・プトラです。
が、マデとだけ呼ばれるのもバリではよくあることだからです。

私のブログも一時期、ワナサリで戦死したと書いたことがあります。
が、後日、高木米治は、マルガで戦死したことに修正しました。
そのように語る方が多かったからです。

でも、それを確証する証拠がなかなか見つからず困っていました。
マルガラナで戦死した5名の日本兵の中に 「マデ」 がいました。
が、マデというのは、第2子という意味、だから沢山いるのです。
高木米治と特定できないのです。
で、困っていたのですが.....、

ところが、それが見つかったのです。
大舘の調査をしている過程で見つけたのです。
これです。
マルガラナの資料館の中のこの表示です。
バリ島残留日本兵の兵士名について(補足)_d0083068_9133242.jpg

この表は、チュウアナラ(Ciung Wanara)兵士を挙げたものです。
チュウアナラとは、ングラライと共にマルガで玉砕した部隊名です。
全部で96名います。
81~85の5人が、日本兵です。
85番に、はっきりと、マデ・プトラと書かれております。
高木米治です。

マルガラナで玉砕したことは、バリ人としては名誉です。
近日中に、アリニさん宅に調査結果を知らせに行きます。
きっと、喜んでいただけると思っています。
by yosaku60 | 2016-10-31 07:46 | 帰らなかった日本兵 | Comments(0)
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常時ほろ酔い候

by yosaku60
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