ムングイのゴアジパンではなかった。
あった場所は、スンピィディであった。
今後、「スンピィディのゴアジパン」と呼ぶことにする。
地元の人は、大概がゴアジパンがあることを知っていた。
それも、日本軍の食料備蓄洞窟であったということも知っていた。
しかし、口をそろえて言うには....
昔はいっぱいあったが、今はもうない....とか、
ほとんど埋めてしまって、今は一つだけ...とか言う。
んで、いざ、探し出すと....
なにがなにが!ひとつだけなんて!
ざーと10穴ほど残っていた。
ほとんど埋めたというのに、まだ10穴ほどある。
ということは、昔は20~30は、あったのだろう。
場所は、ここだ。
サディン村からバンジャール・カンギンまでのアユン川沿いに点在する。
但し、地図上はアユン川だが、地元の人は、名もない川と言う。
先ずは、サディン村に近いところのゴアジパン。
洞窟の中は、こんなんだ。
中は、真っ暗...カメラのフラッシュをたいて写すだけ。
???あれ、目玉が二つ光っている....
今朝方、写真をPCにとりこんで初めてみつけた。
拡大してみたら、確かに動物だ。
暗い中、奥まで入らなくてヨカッタ!
まだある、というので更に上流へ歩く。
前を歩くのは、案内してくれた、地元の地主。
こんなのがあった。
中は水があって、入れない。
さらに30メートルほど上流に行くと、こんなのもあった。
どの洞窟も奥にテーブルの様な台地を作っている。
なんのためなのだろう?
場所を変えて....
バンジャール・カンギンの方にも行ってみた。
路地を入ると、立派な身なりのお坊さんがいた。
ゴアジパンの在処を聞くと、「私の家の下にあった」と教えてくれた。
お坊さんの家に入り、案内されるまま、裏の出口の階段を降りた。
谷底へおりるがごとく、階段はどこまでも続く。
狭いところを抜けると川沿いに出た。
こんな川だ....水深が深そうだ。
この深くなっているところ....
次の写真では、左上4分の1の暗く写っている部分...
ここに洞窟の入り口の穴が開いてたそうな。
何故に水深の深いところに洞窟の入り口があったのか?
大事なものなので、誰も近づけさせないためであったとのこと。
大事なもの....燃料であったとのこと。
お坊さんは、自分の敷地内なので詳しい。
その燃料貯蔵洞窟の構造を教えてくれた。
お坊さんに、「他にもゴアジパンありませんか」と尋ねると、
「上流にいくつかある、が大蛇がいるから気をつけなさい」と言う。
いや、言ったらしい。
お坊さんの言葉はバリ語。
一緒に行ってくれた友人のムーンさんが、そう聞いたらしいが、
オレは、バリ語、知ーーーらない。
で、大蛇洞窟へ行った。
あった!
結構に大きい。
写真を撮ってくれるムーンさん。
どことなく、あちこちを見てそわそわしている...の意味、オレは解らない。
と、ムーンさん「蛇が」と、洞窟を少し入った床を指さす。
そう言えば蛇のようだ、が、そいつは動かない。
まあいいや、てんで、その横をとおり、オレだけ洞窟の中に入った。
この洞窟は、大きいので、奥の方まで少し見えた。
あれ、奥の方に横穴がある....
と思って進もうとすると、オレの頭を叩くやからがいる。
コウモリだ!
おれは、コウモリは嫌いだ。
早々に外に出た。
横穴は右の方だった。
どこに続いているか探すため、右の方の藪に入った。
30mほど進むと、それらしき穴があった。
やはり洞窟だった。
しかも奥の方を見ると、左に横穴がある。
先ほどの洞窟とつながっているのだろう。
であれば、大きい!
まだまだ、あったかも知れないが、
「まあ、いいだろう」てんで、谷から平地に出た。
平地には、町ができあがっている。
この左の家並みの地下がほとんど、ゴアジパンだったのだ。
家を建てる時、みんな埋めたそうだ。
が、見て来たように、まだまだ、いっぱいある。