前にも書きましたが、バリは男社会です。
男社会ですが、お寺社会でもあります。
いんや、順序が逆ですね。
お寺社会だからこそ、それを守る男どもの男社会になったのです。
今日のメインは、こうした話です。
実は、昨日、クトゥに請われて、シンガラジャに行ってきたんです。
ワヤン(クトゥの彼氏)と一緒でした。
シンガラジャと言っても、町の中ではありません。
ブドゥグルからシンガラジャに降りる急勾配の道があります。
その途中からわき道に入り、その奥にある小さな集落です。
こんなところです。
ここがクトゥの父親の実家があるところなんです。
クトゥはまだ未婚ですから、この地に生き抜く男一族の一員でもあるのです。
さて、お寺の話に切り替えます。
バリのお寺の頂点にあるのは、ブサキ寺院です。
その下に、町のお寺、村のお寺があります。
それも一つだけではなく目的別にそれぞれ独立したお寺があります。
さらに、自分の家にも「家寺」というのがあります。
でも、それだけではありませんヨ。
一族のお寺ってものもあるんです。
今回、クトゥに呼ばれたのは、この「一族のお寺」のためなのです。
こんなお寺です。
見てわかりますよね、そうです。
お寺を造り替えたのです。
そのお披露目というか、セレモニーがあったのです。
一族のお寺ですから、滅多に造り替えるものではありません。
多分、100年に一度の大セレモニーだった訳です。
クトゥもそのために10日間の休暇をとったほどです。
写真は、セレモニー会場の入り口です。
門にあるサンスクリット語は、「おいでなさい」との意味です。
門の中は、このような中庭になっています。
庭を歩いて来るのは、クトゥです。
んで、私も中庭に入ったのですが、
子供達が珍しげに近寄って来て、話しかけてきます。
どこの国でもそうですが、子供は可愛いものです。
この子供達ですが、全て一族の一員です。
このお寺の元は一人の男(一家族の長)から始まっています。
多分、5代ほど前の祖先なのでしょうか。
その一人の男の一家から、今は26人の男(家庭を持つ)が分家したのです。
それが一族です。
一族全員で、約150名になるそうです。
この150名が全員集まるのですから、壮観です。
150人と言っても、男衆は裏の仕事があって忙しく、
私を接待してくれるのは、全て女性か子供でした。
これは、子供が即興で踊ってくれた、歓迎の踊りです。
例えば、男衆、
何をしているかと、人垣を分けて、そーと覗いてみると、
新しい塔の下に「生け贄」を入れて、その上からセメントで固めていました。
いわゆる「入魂」なのでしょうね。
昨日は、満月の日でした。
こうした式典は、全て満月の日に行われます。
お月さんの元、夕方の6時から翌朝の2時までが式典時間です。
長時間の式典なので、150名分の料理がいっぱい準備されます。
焼かれる前の吊るされた肉の横に立ってみました。
150名もの人への挨拶に疲れたオレ。
不謹慎ながら眠くなってきました。
が、眠るところがありません。
んで、クトゥが考えた案は、クトゥの「お色直し」で、この場から離れる。
で、お色直しをする店のソファーで仮眠をとる、でした。
その店は車で10分ほど走った本道沿いにありました。
人の波に酔ったオレ、助かりました。
30分ほど寝て、元気を取り戻しました。
写真は、お色直しをしてきれいになったクトゥと彼氏(ワヤン)です。
今日の話は、ここまで。
式典が始まる6時まで居ると、電気のない山道が怖い、との理由で、
午後4時30分、明日に仕事を抱えているワヤンと一緒に、この地を離れました。
最後に、何の気なしにいるクトゥを隠しとったものをアップします。
オレは、こういうふとした写真が好きなんです。