バリ人の日本人を見る目・・・・
なんて、オレが解るわけない。
が、その思考土台にあると思われるものを書きたい。
参考は、右の本。
日本に在住した元インドネシア大使が書いたもの。
この本では、まとめともいう最終項で、
「インドネシアの独立のため」という日本の言分は全くウソ。
資源の多いインドネシアを属国とするために侵攻してきた。
と厳しく結論付けている。
当時の日本の意識から見て、全くそのとおりであったろう。
インドネシアは350年、オランダに統治されていた。
そのオランダを追い出し、代わりに統治したのが日本。
その期間、第二次世界大戦中の約3年。
が、負け戦が濃厚になってきた最後の一年。
ジャワ島にいた日本軍は、
何かにつけ「ばかやろう!ばかやろう!」と、インドネシア人を虐待した。
これが、現在のインドネシア人が日本人を見る目に、影響を与えない訳がない。
バリもインドネシアの一部であり、当然にバリ人の思いも同じであろう。
が、バリに住む我々日本人にも、少しの救いがある。
ひとつは、バリは海軍の統治下にあったということ。
陸軍統治下(ジャワ島)で多かった虐待も海軍統治下では少なかったと聞く。
虐待するのではなく、バリ人に尽くして、バリ人に感謝される日本人もいた。
戦時中バリ人に慕われた、「三浦襄」と言う者がそうだ。
住民による彼の墓は、現在デンパサールにある。
救いのもうひとつは、マルガ英雄墓地(下の写真:昨年訪れた時のもの)にいる英霊だ。
世界大戦で敗退した日本に代わり、オランダ軍がインドネシアを再度統治しようと攻めてきた。
オランダとインドネシアの戦いの中、ここバリで最も激戦地であったのがマルガ。
インドネシア独立運動の英雄とされるングラライもここで死亡している。
全滅したングラライ隊の中には、13名の日本人がいた。
他のインドネシア兵に混じり、ここに葬られている。
前述のインドネシア元大使曰く、
国としては独善的な日本であったが、個人的には真にインドネシアの独立を願って行動する者もいた。
と、注釈を入れている。
バリ人が日本人を見る目の中に、住民に溶け込もうとした海軍、インドネシアのために戦った日本兵、の過去の行為が、少しは残っていて欲しい、と、思うのだが、甘いだろうか。