サヌールの海岸の沖にはさんご礁がある。
そのさんご礁の内側の海岸は、波が少なく平穏である。
が、昔、建築資材として使う目的で、そのさんご礁が村人に削られた時代があった。
さんご礁が少なくなるにつれ、海岸に波が入り砂浜が侵食されだした。
侵食防止の手立てをしたが、成果が得られず、インドネシア政府は日本に協力を要請した。
日本はODA(政府開発援助)で、海岸の再生を行った。
・・・・・・
ということで出来たのが右の写真。
「これ、なんていうの?」、
バリ人に聞くと、
「CRIB(クリッ)」と答えが返ってきた。
DERMGA(桟橋)であるはずなのに、
を何故にCRIBというのだろうか?
いぜれにせよ、大きな構造物である。
日本の資金協力を得てのこの工事、
砂を取り戻して新しい砂浜を作り、
その砂浜の上にプロムナードを設け、
砂を守るための桟橋を随所に作り、
さらに親切なことにその桟橋が周囲の景観を損ねないように、突端にガゼボ風のBELAI(休憩場所)を設けた。
しかも、土台の白い石はカリマンタン島から運んでくるなど、の徹底した景観保持工事であった。
当たり前だけど、きれいな海岸だからこそ、朝の散歩も気持ちが良い。
私たちも日本のODAの恩恵を受けている訳だ。
調べてみると、日本のODAは、いろいろなことをしている。
バリ一の観光名所、タナロットの修復保全も日本の援助で行われた。
今、デンパサールからサヌール、クタにかけて下水道が完備されているが、これも日本の援助で行われた。バリの国際空港の拡張工事、マグロ基地であるブノア港の整備も行っている。
過去にさかのぼれば、まだまだある。
空港からデンパサールにかけて、交通の大動脈として、いわゆる「バイパス」が走っている。
このバイパスも日本の援助で作られたとのこと。
他に現在も続けられている工事がある。
サヌールとクタの間に広がる広大なマングローブの復旧と保全である。
と、いう風にいろいろな方面で、日本のODAが貢献している。
なにしろ、日本のODAの19%が、インドネシアに向けられているんだから・・・
・・・・にもかかわらず、
最近ちょっと気になることがある。
看板から日本語が消えてきていることだ。
代わりに韓国語で書かれたものが増えた。
貢献しているのは、日本なのになあ~。
写真はサヌールのマルタサリビーチ。
プロムナードの傍まで砂が削り取られ始めている。
日本が整備した、きれいなサヌール海岸、
いつまで持つのだろうか。
これも気になるのだ。