毎朝行くワルン(食堂)には放し飼いの小動物がいる。
犬、猫、鶏、アヒル、牛、らである。
人間が最低限の干渉しかしない、
自由な動物達だ。
自由な動物と長くつきあっていると、
次第に生態が解って面白い。
右はブレッキーという名がついている。
が、私達は略してベッキー。
約10歳、メスの老犬だ。
洗われたたことがないらしく、
見たとおり汚れていて身なりが汚い。
が、しぐさがゆったりしていて、貫禄がある。
ベッキーは、私のバイクの音を知っていて、私達がワルンに着くと、どこからかゆったりと現れる。
そして、テーブルに着くまでの10mほどを一緒に歩いてくれる。
私達のテーブルが決まり、椅子に座ると、その近くで寝転ぶ。
単にそれだけであり、毎日その繰り返しである。
この、ゆったりベッキーが、猛然と走るときがある。
よそ者の犬が来て、鶏に近づいた時だ。
猛烈とダッシュして、その犬を追っ払うのだ。
ワルンの主人に、「鶏を守るためにベッキーを飼っているのか」と聞いてみると、
「そういうつもりはないが、ベッキーが勝手にそのようにしているようだ」、とのことである。
鶏を守るのもベッキーの自由な自主行動なのだ。
続いて、アヒル達。
アヒル達も人を識別できるようだ。
私のバイクが着くと、ベッキー同様に、
ヨチヨチと集まってくるからだ。
エサをくれる私達を、
覚えてしまったのだろう。
よーく見ると、アヒルの歩き方は、
それぞれに同じではない。
大きな犬掻きがついているアヒル達、
単に足を交互に出すだけでは、右の犬掻きを左の犬掻きで踏んでしまう。
勿論、そういうことにはならず、上手に足を交互に出す。
ただ、自分の足を自分の足で踏まないための、足の運び方が微妙に違うのである。
日本では、これほどまでに接近して動物を観察することができない。
が、此処ではそれができて、楽しい。
次に、鶏。
戦ってお金にもなり、
食べても美味しい鶏、
で、飼い主は鶏を大事に育てる。
鶏の場合は、いろいろいてややこしい。
写真の鳥篭は闘鶏用。
闘鶏だから気が荒い。
が、知った人間に、ツボを触れられると従順になるようで、見ていて面白い。
闘鶏用の鶏は籠に入れられているが、その鶏を守る鶏は、籠の周りで放し飼いにしている。
いわゆ用心棒。
右の写真の3匹がその用心棒達。
赤と白と白黒の3匹で、覚えやすい。
3匹の中のにも序列がある。
中央の白黒鶏がボスのようだ。
左の写真は、この地に迷い込んだ一匹狼の鶏。
この鶏が来て、鳴いた時だ。
その声を聞くと籠の闘鶏達が怒る。
すると、用心棒の白黒が、侵入鶏を猛然と追い出しにかかる。
赤と白もそれに続く。
侵入鶏は、3匹に追われ、逃げ場を求めて空を飛ぶ。
で、木の上に逃げたのが左の写真である。
気の荒い鶏達。
闘鶏用の鶏達は、普段より戦い方を訓練する。
右の2枚の小さな写真は、訓練中の2羽だ。
戦闘中は首から頭にかけての毛を全て逆立て目つきも変わる。
少々近寄りがたい。
闘鶏を飼う男どもは、時々訓練の技術を交換しているようだ。
この他に鶏の子供達がいて、自由にそこらへんをうろついている。
小さくても、アヒルよりは強い。
アヒルを可愛がる我々にとって、鶏の子はうっとおしい。
アヒルにエサをやるときは、鶏を追いはらってからにしている。
この他に、牛がいる。
牛のことは紙面をあらためて書きたい。
一ヶ月前に子牛が生まれた。
放し飼いで、自由であるのに、私を警戒して、完全には触らせてくれない。
現在、子牛の鼻先5cmまで、手を近づけることができる。
が、それ以上にはならない。
子牛が私になついた時、あらためてブログで報告したい。