チャロナラン劇とは厄除けの呪術劇です。
もっと直接的に言えば黒魔術(ブラックマジック)劇です。
チャロナラン劇はバリ人と言えど滅多に観れません。
バリの全土で催される訳ではありません。
ギャニヤールからバドン県南部だけです。
それにどんなお寺でも開ける訳ではありません。
条件が整ったお寺でないと開けません。
チャロナラン劇をやるとなると準備にお金がかかります。
ある程度の力のあるバンジャールでないとやれません。
ということで、滅多に観れない催しなんです。
11月28日にはチャロナランがあるよ....
観に来ないかい.....
懇意にしているコミンに聞きました。
と「怖いから観に行きたくない」とコミンが言うんです。
同じことをお手伝いさんのカデに聞きました。
やはり「怖いので観れません」と言うんです。
そして二人とも声をそろえて、
「サヌールのブラックマジックは特別怖い」と言うんです。
そうなんです。
サヌールは怖い処なんです。
バリ人のほとんどがそう言います。
そこで、行われるブラックマジック劇....
怖くて当たり前です。
そんなチャロナラン劇ですが、
私達夫婦は最後まで観ました。
最後まで観ました....
と強調するのは何故か、重要だからです。
一度見始めたら最後まで観なければならないのです。
途中で帰ると悪夢を家に持ち帰るのです。
ですから昨夜の観衆も全て最後まで観ていました。
でも帰りたくなるんですよね~。
とにかく長いんです。
だって夕方の8時から夜中の2時まで続くんです。
それに言葉の判らないバリ語の漫才を長時間やるんです。
でも、聞いていると、よくわかりませんが、
どうもチャロナランの筋書きを話しているようなんです。
何故に夜中の2時に終わるのか、理由があります。
宇宙の力が最も弱くなるのは夜中の2時だからです。
宇宙ときましたね.....そうなんです。
バリヒンズーの大義は「トリヒタカラナ」です。
神と人間と自然の大調和のことです。
この場合の自然は「宇宙」なんです。
話が飛んでごめんなさい。
バリヒンズーの全てを書くと長くなるんです。
最近の先端物理って量子力学ですよね。
アインシュタインが最後まで否定していた物理現象です。
宇宙には光より速いものがあることになります。
その現象を突き進んでいくと....
人間の身体と魂は別にあっても良いことになるんだそうです。
なぜにそこにいきつくのか理由は判りません。
とにかくそうなんだそうです。
バリヒンズーの教典と同じです。
量子力学のバリヒンズーの関係.....んで、
バリヒンズーを以前よりも興味を持って勉強しています。
ごめんなさい、話が飛んで飛んでまとまりません。
今日は序章を書いているのでそれで良いことにしてください。
チャロナラン劇のことをざっくり説明します。
早く言えば、聖の象徴のバロンと邪の象徴のランダとの戦いです。
バロンダンスはチャロナランの一部抜き取りです。
バロンとランダの戦いには勝者がいなく永遠に続きます。
だが、そうでもないのがチャロナランです。
王の化身がバロンです。
魔女チャロナランの化身がランダです。
言ってみれば、王とチャロナランの戦いです。
王は、戦いの末、チャロナランに安住の地を準備するのです。
それで、チャロナランは怒りをおさめ、戦いが終わるのです....
と、本に書いてあります。
でもいろいろあるんです。
チャロナラン劇をやる人たちが勝手に創作できるのです。
ですから、一概に言えないのです。
勝手に創作する....このことを考えてみたい。
私にとってはチャロナラン劇を観るのは二度目です。
前回は、2009年7月13日でした。
もう14年も前のことになるので記憶が薄れています。
それに途中で寝てしまって最後まで観ませんでした。
寝てしまった................2009年7月14日のブログ
そこには、こんな写真を掲載しています。
悪女の踊りです。

戦うバロンです。

そして、この時の会場の設営ですが、
「天に上る階段」が準備されていました。
階段を登り切ったところは天空でした。
確かそう記憶します。
ところが昨日のチャロナラン劇....
階段を登り切ったところは部屋になっていました。
こんなんです。

どうして部屋になっているのだろう。
階段を登り切った処は天空でなければなりません。
チャロナラン劇が始まる前、私は不思議でたまりません。
14年前と違うんです。
で、8時から始まったチャロナラン劇を見ると、
最初に3体のランダが階段を上り部屋に入るのです。
チャロナラン劇の最初はバロンの踊りで幕が開くことが決まっています。
バロンの踊りの前に、ランダを天空の部屋に入れるのです。
どうしてなんだろう。
そのうち私ははたと気づきました。
今回のチャロナラン劇は14年前の続きなんだ....
きっとそうだ....
14年前は途中で寝てしまったが、
ランダが天空に登って、一旦、戦いは休止していたんだ....
それが今回、再び、戦ったのだ。
チャロナラン劇はバンジャールごとに創作できるのです。
そんな理解で昨晩のチャロナラン劇を次回に語ります。