あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



カテゴリ:日本=パイロット時代( 21 )


よく見る夢

d0083068_917383.jpgオレは余り夢を見るほうではない。
が、そんなオレが年に2~3回、
決まってみる夢がある。
この夢は昔の自分を語らなければ理解して
もらえないので、まずそのことから書く。
昔、ある海運会社で船乗りをしていたオレ。
40歳前にそこを辞め陸上の商売に挑戦した。
そこは陸に上がった河童とはよく言ったもの、すぐに夢破れお金に困り出した。
幸いに船長免状を持っていたので、人材派遣会社を経由して船乗りに戻ることができた。
40歳の時であった。言ってみれば期間雇用の出稼ぎ船長である。
船長免状は国際免状なので、探せば世界中のどこかに職があり、何とか一家が食いつなげた。
が、ひとつ困ることがあった。
「すぐに◎◎に飛んでほしい、そこで、◎◎という船に乗って欲しい」
という急な仕事の依頼がくることである。
断ると次から仕事をもらえなくなるので、そうした指示には絶対に従った。
そういう生活が40~47才まで続いたが、この間の「指示に従わねばならない」という強迫観念が、なかなか消えないのである。
その圧迫感からか、今もって次のような夢を見るのだ。

「今からすぐにキューバに行って乗船してくれ」とのオーダーを受ける。
なぜか、キューバが多い、でなくともカリブ海の国が多いのは何故か解らない。
とにかく、すぐに空路キューバに向かい、港に停泊していた船に乗る。
慌しく引継ぎを行い出港する。 出港してひと段落した時点で思い出すのである。
「しまった、オレは日本で水先人の仕事をしてるんだった」
「それをやりっぱなして、船に乗ってしまった、どうしよう」
と、困り果てるのである。

大概に途中から夢と解るので、いい加減に夢を止めるべく眼を覚ます。
そして、夢であることを確認する。
そうでなく、夢がつづくこともある。
「困った。 今から船を近くの港に寄港させて、空路で日本に戻る手当てがないだろうか」
などといった念の入った顛末まで夢が続くことがある。
いずれにしても、冷や汗の出る夢であり、夢見のあとがよろしくない。
期間雇用の船長を辞め、水先業を始めた当初は、毎月のようにこんな夢を見た。
その後、徐々に回数が減ったものの、今でもまだ同じ夢を見るのである。
オレの人生の中で、よほど辛抱した7年間であったのだろう。
とにもかくも、あと2週間ばかりで、水先業も廃業し、完全な年金生活に入る。
40年続いた海や船との関わりも完全になくなる。
で、船に関したこんな夢を見ることもなくなるであろう。 
それだけでもありがたい。
by yosaku60 | 2008-03-09 08:31 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

バリ移住準備(後継者)

d0083068_6315835.jpg私の職業は水先案内人。
バリには廃業して行くことになる。
水先案内人がその地に何名必要かは、国土交通省から強い指導を受ける。 で、私が廃業すれば、誰かが開業しなければならない。 開業するには、水先試験を受けて水先免許を取得しなければならない。
水先試験の受験資格だが、
以前は船長経験が3年以上必要であった。
しかし、今や船乗りがいなくなった日本。
船長経験を3年にすると、そんな人を探せなくなった。
で、今年より法律を変え、船長経験を2年とハードルを下げた。
そして、その代わり11ヶ月、大学院での座学が義務付けられた。
そんな新しいルールで募集したオレの後継者だが、
石川県では見つからなかった。
で、全国募集したところ、岡山県から応募があった。
そして彼は猛勉強し、大学への入学試験をパスし、11ヶ月の座学を終え、先日一次試験に合格し、そして昨日二次試験にも合格してくれた。 全部パスしてくれた訳だ。
3月には水先免許がおり、4月1日から仕事ができるようになる。
で、で、で!!オレは、3月31日に晴れて廃業できるって訳。
実は、後継者が試験に合格しなければ・・、
あと一年水先業を続けなければならなかったのである。
イヤ、一年ではきかないかも知れない。 
応募者がいなく合格者がいなければ定年までってこともある。
定年は72歳となっている。 
縄梯子を登れる元気があればとの条件つきで74歳までの延長も認められている。
なんやかんやで、あと10年か・・、
そんなに長くは生きておれないな、きっと。
バリ関係の人には、誰にも言わなかったが、オレがもっとも気にしていた心配事であった。 
さあ~、バリでの隠居生活、正式決定だ。
忙しくなるなあ~
by yosaku60 | 2008-02-28 06:32 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

イージス艦の回避操船

本日、野島崎沖でイージス艦と漁船が衝突し、
漁船が二つに折れて乗組員2名が行方不明となる事故が起きた。
直感的に、イージス艦9割、漁船1割の責任割合での衝突であろうと思った。
自衛艦が衝突回避行動に精通していないことは、船乗り仲間では常識である。
また漁船が衝突回避行動について機敏でないことも船乗り仲間では常識である。
言ってみれば、
衝突回避動作については,不慣れなものどおしの事故なのである。
更につきつめれば、イージス艦の「見張り不足」に尽きる。
要するに「怠慢」だったということになる。
起こるべくして起きた事故であろう。 
これを機会に航海の安全について、もっと真剣になって欲しいものである。
by yosaku60 | 2008-02-19 19:52 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

舶用ブラックボックス

d0083068_20204847.jpg飛行機の操縦席にはボイスレコーダーがあります。
いわゆるブラックボックスです。
事故があった場合の原因解析に役立っています。
そのブラックボックスが船にもつくようになりました。
今後2年間で、ほとんどの船につくそうです。
そんな舶用ブラックボックスに初めて出会いました。
写真は天井についている集音マイクです。
船の操縦席は広いので、
こんなのが天井のあちこちについているのです。
どんな些細な会話も見逃さないそうです。
そうと知った、私・・・。 
いつもは気軽に話す男だけに通ずる話・・・、
そんな話、できるわけありません。
終始、真面目な定型会話のみにしました。
だけどですよ!
こんな冷たい色のマイクが人間を見張る。
その下で肩をすぼめながら、ひそひそ話しをする船員。
なんて、味気ない時代になったものでしょう! 
by yosaku60 | 2008-02-13 20:36 | 日本=パイロット時代 | Comments(0)

観天望気

親指を立てて左手の掌を見て欲しい。 その親指の先を少し曲げた形が能登半島です。 
わかるでしょ! そして、曲げた第一関節の内側の窪み、それが七尾湾です。
その七尾湾から南東方向にあるのが立山です。
冬の日の出は南東方向ですよね。
だから七尾湾からの日の出は、立山から上るということになります。
下の写真は今朝の富山湾です。 七尾湾から5km富山湾に出たところです。 
七尾港に入港する船を迎えにここまで出てきました。
d0083068_17382243.jpg船を待つ間に、日の出がありました。 
立山がくっきり見えます。
立山がこんなに見えるは珍しいのです。
それだけ空気が澄んでいるのでしょう。
昔から、
立山がきれいに見える翌日は、
海が荒れる、と言われています。
地元の漁師仲間の観天望気です。
ウン、
うなずける。今回はアタリだ。 
明日の富山湾は時化そうです。
by yosaku60 | 2008-01-30 18:00 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

エントランスブイ

d0083068_8384052.jpg港には船の安全航行を守るためにブイがあります。
ブイは、片方は危険その反対は安全という境界線上に設けられます。
また、ブイには識別のための番号がつけられます。
写真のブイに書かれた「1」という数字が解りますか。
一番ブイ、ということです。 
別名、エントランスブイと言います。
名のとおり湾や港に入るときの入り口にあるブイということです。
写真は七尾南湾のエントランスブイです。
ここを通過して湾の奥に入りますが、奥に入るに従ってブイのナンバーが大きな数字になります。 七尾南湾には、20番までのブイ、それに番号が表示されないブイが3個ありますので、合計23個のブイがあります。 簡単に言えば23箇所の危険箇所があるということになります。
番号もそうですが、色も大事なんですよ。
写真のブイの色は緑色ですよね。 入港するときに右が安全、左が危険という意味なんです。
緑色のブイを左に見て入港しなさい、でないと危険です、ということです。
反対に右に見て入港しないと危険ですよ、という場所には赤色のブイが設置されます。
要するに、右に赤、左に緑、を見て入港しなさいと、というトータルシステムなのです。
右に赤、左に緑・・・これは船も(航空機も)同じです。 夜間に右に赤灯、左に緑灯の船(飛行機)が迫ってくると、こちらに向かって来るので危険だという意味があります。 だから避けなければなりません。 このような、緑と赤の危険表示の考え方は、国際ルールとして世界中で統一され、守られております。 
あと、2ヶ月で水先案内人を廃業するわが身。
お世話になった、23個のブイを代表して、エントランスブイに感謝を込めて写真を撮らせて頂き、詳しく紹介させていただきました。 ありがとう、もう少し助けてね!
by yosaku60 | 2008-01-24 08:59 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

今年最後の好天

d0083068_16513943.jpg北陸の空・・・、
12月30日~1月3日の年末年始は、
寒気が入って雪模様とのこと。
そんな中、昨日(27日)は格別に良い天気。
見てください。
七尾湾での8万トンの船の静かな出港風景。
波もなく船の航跡もくっきり残りました。


d0083068_1652385.jpg

右の写真の場所は浅瀬を避けて、
83度も針路を変える場所です。
大角度変針点といいます。
少し緊張して舵をとります。
といっても、こんな写真をとることができるんです。
たいしたことありませんよね。 
静かな海は仕事も楽です。
by yosaku60 | 2007-12-28 17:08 | 日本=パイロット時代 | Comments(0)

能登の風車

d0083068_993069.jpgこれは、何だと思いますか。
風車の羽根なんです。
長さが30mもあるのに、高い船橋から見る
ので、こんなに小さくなって見えます。
ドイツ製の風車です。
今日七尾港に着いたんです。
風車の行き先? 能登半島です。
能登半島の何処かって? 知りません。
最近、風車を運んでくる船が多いんです。
能登半島が風車だらけになるのかなあ~。
ところで、この船、ベッカーラダーという舵
を持っています。 普通の舵よりも角度が
沢山曲がるんです。
それにバウスラスターと呼んでるんですけど、
船首にもプロペラがついているのです。 だから岸壁の近くでもくねくねと動くことができます。
船を操るオレ達にとっては、やりやすい船ってことになります。
そういえば、この船の船長、流暢な英語を喋るので、ヨーロッパ人と思ってたら、途中でロシア語で喋りだしたっけ。 ウクライナ人だったのかな。
最近の船って、一カ国の乗組員だけってこと、まずありません。 業界用語では、「混乗」って言うんですけど、言ってみれば多国籍職場なんです。 世間では「今やグローバル化」って騒いでいるようですが、船乗り社会は30年前からグローバル化していました。 みんな知らないだけなんです。
だって、船乗りは、土方、船方、馬方って呼ばれて、昔から世間の仲間に入れてもらえなかったので、関心をもたれなかったのです。
目立ちたがり屋のオレ向きではないんだよなあ、この職業。  
今日も縄梯子が長く感じました。 登っても登っても甲板に着かないんです。 
縄梯子が揺れる、冬場の日本海はイヤです。 
by yosaku60 | 2007-12-06 09:23 | 日本=パイロット時代 | Comments(0)

また、ひとり・・・

私の職業は水先案内人、公称「パイロット」。
港に出入りする船に乗り込んで、その船を安全に誘導する仕事です。

船に乗り込む時は、パイロットボートという小さな船で外洋に出ます。
そして、その小さな船から大きな船に乗り移ります。
乗り移る時は、縄梯子を使います。

ええ、 縄梯子? 
と、思うでしょう。

パイロットの長い歴史の中で、縄梯子がもっとも安全、
ということが結論付けられているのです。
勿論、世界中で検討され、現在も検討され続けている結論です。 
安全といっても危険が少ないという意味の安全です。
揺れ、そして波が襲う中で8mほども垂直に登るのですから事故はあります。
手を離せば、落下して死にます。
手はいろいろな理由で離れることがあります。
波で体ごと吹き飛ばされることもあります。
だから、落ちて死ぬ人が多いのです。

そして、昨日ニュースが届きました。

某港で修学生(水先試験を受けようとする学生)が落ちたのです。
そして死んでしまったのです。
一昨年は同様の事故で4人も死にました。
全国の同業者、約600人、そのうちの4人が死んだのです。
なんと事故率の高い職業なのでしょう(苦笑)。

でも、去年は誰も死ななかったのですよ。
そして今年もゼロ、とホッとしていた矢先の事故だったのです。
それも現役のパイロットではなく、修学生という若いみそらで、
と言っても50歳そこそこの方なんですけど。
ええ、そんな年寄りがですって?  
しようがありありませんヨ。 
水先案内人(1級)の試験を受けるは、船長経験が必要なのです。
ですから、どうしても50歳以上になるのです。

現在、私のところにも私の仕事を引き継ぐための、K君(某大学所属)が修行中です。
明日からは、K君を先に縄梯子を登らせ、彼が落ちたら私が受け止めよう!
んん? K君、54歳。 受け止める私、61歳のメタポ・・・、これじゃ無理かな。

今朝は、普段やってない、腹筋運動を1.2回しました。
誰? もう遅い・・・ってのは!
by yosaku60 | 2007-11-08 10:34 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)

安全研修会

d0083068_17541087.jpgオレの職業は水先案内人、港に出入りする船の
安全を守る仕事。 安全を守ると言っても、人間
だから時として間違いがある。
でも一旦事故が起きると、被害額が大きい。
昨年の被害額の実例が3件紹介されたが、どれ
も100億円を超える。 大変な額だ!
で、操船には完璧を求められる。
そうしたニーズに応えようと、日本水先連合会では、5年に一度は「安全研修」を行っている。
中部地区の受講対象者は私を含めて28名。  
全員が名古屋に集合し、2日間の研修を受けた。

d0083068_17542119.jpg自分の技術の反省点を確認できるので、あり難い。 
特に、今年は飛行機のパイロットの話を聞き、飛行機の事故例の勉強会も行った。 飛行機も船も事故を起すプロセスが同じことを認識した。
なんやかや、2日間みっちり、古い脳みそを絞りながら緊張し続けるのは疲れるものだ。
昨晩、帰って来たが、未だに疲れが抜けない。
オレは、もう齢だ。 頭なんて動かない。 
ブログを書くのも上の空・・・・・・・・、
by yosaku60 | 2007-08-03 18:03 | 日本=パイロット時代 | Comments(1)


常時ほろ酔い候
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