いつも挨拶を交わす、小さな店の女主人に、
「こんにちわ、元気?」
「こんにちわ、ううん、元気ないのよ」
「どうして」
聞きなおすために傍に寄った時、
彼女の眼から、涙がすーと流れた。
店のお金を持ち出して、亭主が2週間帰ってこないという。
5人の子供がいる彼女、今も妊娠中。
つわりがひどく、苦しい日々、それでも、気丈夫に「元気よ!」と言っていたのに。
涙を流して打ち明けてくれる彼女。
オレは何をしたらいいんだろう。
何ができるのだろう。
「夕食でもおごるから、楽しく食べようよ」
「ダメ、食べれないの」
悲しくて食べれないのか、つわりで食べれないのか、そういう理由を掘り下げるのも酷。
「では、子供達だけ連れてゆくから」
で、小学6年生と3年生の上の二人だけを連れて、パサールで食事をする。
何か欲しいものある?
ううん、要らない。
けなげな子供達だ。
本当に何もできない。
かわいそうだと思ったら、何かすること。
何もしないのに、かわいそうだと思うだけは、相手に失礼。
かわいそうだと他人を簡単に思うことは自分が生意気なだけ。
というのが僕の主張。
きちんと守れているわけではないけど(笑)。
時々、食べ物の差し入れでも・・・、