もう20数年前の話になる。
日本人6人、あとは韓国人とフイリッピン人の乗組員で総勢23名の冷凍船の船長として、ヨーロッパとアフリカを行き来していた。
ほとほと困ったのが、日本人船員のわがままさ。
困った私、会社に話しをし、私と機関長だけ日本人、残りは全員フイリッピン乗組員にしてもらった。 そうしたところ、船は良くなった。
そして今、その経験を思い出している。
バリ島サヌールにある現在の私の住むビラ。
プールを囲んで11軒の家があり、それぞれに日本人のオーナーがいる。
私もその一人。このビラが良い住まいとなるべく、日々努力をしている。
ただ、現在オーナーとして住んでいるのは私だけ。
残りは自分が住む年齢になるまでの間、貸し出ししている。
泊まりに来る日本人もさまざまだ。
だが、なんとなく20年前の日本人のわがままさをそのまま思い出している。
日本人は西洋人に弱いくせにアジア人に威張る癖がある。
日本人のわがままさだ。 日本の常識が世界の常識だと思っている。
そんな日本人を相手にするのは疲れる。
反対にバリ人の誰もが大人しく、付き合うと心が癒される。
日本人に疲れた心をバリ人に癒してもらっているのが現在の私。
バリは神々の島・・・文化と伝統と信仰の島。
自分のことはさておいて、相手のためになることを喜ぶ心がある。
今はそんなやさしさに私が甘えている。
いつかは、やさしさをお返ししたいものである。