トランプがG7サミットの期日を変更した。
6月末の予定を9月に変更するとのこと.....
その理由をマスコミは一斉に大統領選挙の為と報じる。
勿論、それもある。
だが、それは変更を考えた後の結果論だ。
考えてみて欲しい。
大統領選挙は11月ということは最初から分かっている。
であれば一旦6月末に発表してその後に変更した理由を説明できない。
何故に6月末のG7サミットが都合が悪くなったのか、
次のことがあったからだと思う。
1、武漢コロナのからの回帰がまだ十分ではない。
2、メルケル首相が出席できず時期的に足並みがそろわない。
3、黒人暴動デモがあってアメリカ社会が騒々しい。
4、対中国戦略を少し時間をかけて見定めたい。
5、変更のアドバルンを上げて変化を見定めたい。
この5つの項目を頭に置きながら書いてみる。
武漢コロナからの回帰まだ不十分であったが.....
アメリカでは、まだ武漢コロナが完全に収まった訳ではない。無理やり解除しオープンした感がある。そうした中でG7の首脳やそれに付随する沢山の人が集まる「G7サミット」はパンデミックの恐れがあるので当初から開催が危ぶまれていたが、トランプは「絶対にやる」と開催を主張していた。今回はアメリカが議長国だ。トランプの考え方でどうにでも引っ張ていける。武漢コロナに対するアメリカ国民のトランプの評価だが、日本で報道されるのは一部に嘘がある。それほど悪くはない。アメリカは合衆国制だ。連邦政府だけでなんでも決めれるわけではない。各州の地方自治が結構に強く独立していると言っても良い。州により武漢コロナ対策が成功したところと失敗した処がある。アメリカ国民はそうした州ごとの違いの理由を知っている。武漢コロナでの死亡10万人を全てトランプのせいにしていない。同時に武漢コロナからの回帰が少々不十分な中でG7サミットを開催することにも国民は違和感を持たない。そうした中、トランプは何故に急に6月開催を引っ込めたか。私は二つの理由があると思っている。①;国内の黒人暴動が騒々しくなってきたことと、②;メルケルが出席しないと言ってきたことだ。時系列から言えば、暴動の原因になった黒人死亡は5月25日であり、メルケルが出席しないと言ってきたのは、5月30日であるから、黒人暴動が先である。が暴動は当初は大きくなかった。大きく広まりほっておけなくなったのが5月30日近辺である。ということはトランプにとっては殆ど同時期に起こった厄介ごとであった。
メルケル首相は何故にアメリカ行きを断ってきたのか.....
メルケルは参加しないと言ったのではない。コロナの感染予防が万全でないということを理由にアメリカに行かないと言っただけで、テレビ画面での遠隔参加はすると言っている。ではあるが、トランプはそれをまともに受け取らない。メルケルは6月末に集まると中国とどう戦うのかという話、一本になることを知っている。欧州の中で最も中国と親密だったのはドイツだ。自動車部門で25年の長期共同計画も既に結んでいる。そう簡単に中国から抜けれない。中国と表面きっての戦いになるのを避けたい。メルケルはそう思っている筈だ....とトランプは踏んでいる。ただ、このドイツの状態は6月が9月に変わっても変わる訳ではない。で、トランプはメルケルを「困った奴だ」程度に内心、腹を立てたがそれを持って9月への期日変更を決めたのではない。ただ、9月になればメルケルがアメリカに来れないと言う「コロナの理由」がなくなるので、来ざるを得なくなるといった読みがあると思う。
ミネアポリス黒人死亡の暴動デモ......
黒人男性のジョージ・フロイドがコンビニで買い物をした。その時お金を受け取った20ドル札が偽札だと店員が気付き警察に通報した。現場に駆けつけた警察は抵抗するフロイドを押さえつけた。三人の警察が身体を抑え、一人(デレク・ショビン)がフロイドの首に膝を乗せ、抑えつけた。
首根っこを抑えられたフロイドは「息ができない」と言ったが、ショビンはそのまま抑えつけ続けた。5分程抑えつけると動かなくなった。それから3分抑え続けた。その時すでにフロイドの心臓が止まっていた。死因は窒息死だと確定されていないが、フロイドを死に至らしめたとされるショピン容疑者は第3級殺人罪(計画性のない殺人)の容疑で逮捕された。有罪となった場合、最長25年の懲役になる可能性がある。ミネアポリスでは、この警察の行為に「黒人だから殺された」と抗議する黒人デモが起きた。当初は小規模なデモであったが黒人だけでなく左翼の運動家が加わりデモを拡大していった。容疑者のショピンは大のトランプファンだったとかのフェイクニュースが流された。それが全米に広がった。有名女優のティラー・スウィフトもそれに便乗しトランプを落選させよとツイートした。
日本の黒川検事問題で小泉今日子がツイートして炎上したのと同じだ。リベラル系はアメリカも日本も同じようだ。いずれにしても現在、抗議デモは全米中に広がっている。ただ広がってはいるものの「活動家たちのデモ」ということは一般の米国民は知っているようだ。で、トランプは批判を恐れずに強く言う「許せない、徹底的に取り締まる」。
ということで、トランプは現在、極左組織のフェイクニュースとデモと戦っている。国内的にこうした戦いをしていて身辺が忙しい。こうした忙しい時期にサミットを開きたくないと思ったのではなかろうか。
大統領選挙戦を左右するオバマゲート....
トランプにとって、こうした抗議デモはマスコミとの戦いである。マスコミとの戦いとしてはもっと大きな戦いがある。オバマゲートだ。以前トランプはロシアゲートでマスコミと戦った。そのロシアゲートをでっち上げたのがオバマだということがばれた。で、今はオバマゲートと名を変えて民主党の大統領候補者のバイデンに降りかかっている。バイデンはオバマ大統領の時の副大統領だ。無関係ではないだろう。
11月の大統領選の予想であるが、アメリカと言う国は民主党員の方が多い。民主党はお金を国民にばらまく。従って低所得者のほとんどが民主党だ。共和党のトランプが勝てるとしたら、①;中国批判が成功すること、②;オバマゲートで民主党離れが起こること、この二つしかない。オバマゲートは後で語ることにして、ここでは中国批判が何故にトランプに有利になるかということを書く。今、アメリカは議会もアメリカ国民も全てが中国批判に一点集中している。が、オバマ、バイデンは、過去に中国に与してきた。そうした過去は国民の誰もが知っている。バイデンにとってみれば、過去に中国寄りのスタイルをとってきたのがアキレス腱になっている。今、バイデンは「自分は中国寄りではない」と必死に否定しているが、国民の多くは疑いをもって見ている。その疑いを助長させることがトランプの勝利に繋がる、トランプはそう見ている。で、トランプはバイデンの過去を責め同時に中国批判を強めている。その中国批判のクライマックスがG7サミットだ。トランプはそうしたいと思っている。それが大統領選の少し前だと最も都合が良い。それがトランプが「G7サミット」を6月から9月に延長した大きな理由であろう。
期日延長のアドバルーンを上げてみた.....
現在、何もかもが流動的である。どう動いて行くかを時間をかけて見てみたい。それには9月開催ということでアドバルーンをあげておく.....急いてはことを損じる...そうした単なる結論の後回しのための延長ということもトランプの頭の隅をよぎったのではないだろうか。であれば様子が変われば日程を早める可能性もある。