あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



ドミニカからの密航者(その4; 密航者保護場所の選定)

5、サンタナ港入港手続き

サンタナ入港前日風呂に入れ、衣類の裏表に不審物ないか点検する。 
最下層の空き部屋に密航者を移す。窓にはチェーンを巻き、入り口のドアーは南京錠で施錠する。
この時ドアー下部の空気抜きダンパーの存在を失念していた。
失敗であった。
ブラジルへの密航者少ないと言いながらも、東京(MO SHIP MANAGEMENT)及び商船三井サンパウロ支店からの事前連絡が行き届いたと見えて、移民官手続きスムーズであった。
同港にて、以後リオデジャネイロ迄密航者を持ちながら各港寄港できる書類を整える。(サンタナ及びベレン代理店に密航者に関する諸経費発生)


6、密航者保護場所の選定  

各港寄港を含め、長期間逃亡の可能性ある者を留め置く場所の選定に、次を考え結局、乗組員居住区の空き部屋の窓にブラインドを降ろしチェーンで締め付け、ドアーに覗き穴を設け、そこに保護する。

1 ボースンストアー.マストハウスなど第一候補なるも、クルー及び外部の侵入者の可能性多く、密航者,乗組員の事故を含めた失敗懸念。
2 ボースンストアー内大工ストアーは全体が鉄作りなるも金網部分多く不適。
3 場所内に壊されて困る機械器物、特に荷役、航海機器のないこと。
4 乗組員の密航者管理が煩雑でないこと。
5 密航者より外の景色が見えないこと。
6 乗組員は密航者を常時見えること。
7 できるだけ乗組員の居住区に近い方が目が届くこと。
8 国際ルールとして、保管場所の環境、衛生状況 苛酷過ぎてはならない。

...................

(解説)

サンタナ港;  

アマゾン川は、大きい。 
河口は対岸が見えないほどに広い。
で、入港手続きは、少し上流の川幅が狭くなった処で行う。
そこがサンタナである。

留め置く場所;

いわゆる、牢屋である。
船には、牢屋なんてない。
逃げられず、容易に監視できる場所を探すのは難しい。

金網部分多く;

金網なんて、破られる。
木製の壁は、破られる。
必死で逃げることを考える者は、なんでもする。

景色が見えない;

外が見えると、よからぬことを想うので、危険だ。
部屋には外枠が鉄の丸窓があるが、
それに鉄カバーをかけて、ワイヤーで固縛した。

覗き穴;

密航者が部屋で何をしているか、監視する必要がある。
そのための監視穴を特別にドリルで開けた。
が、これは役がたたなかった。
乗組員が覗き穴から覗くと、部屋の中から、その目をつつくのだ。
それ以降、乗組員は、穴から覗かなくなった。
by yosaku60 | 2017-03-08 07:48 | 日本=船員・船長時代 | Comments(0)
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