あけっぴろげてあらいざらいのあるがまま



ドミニカからの密航者(その3; 密航者身元調査)

4 密航者身元調査・待遇

発見直後、身元調査する。 
CASAをKASAと書いたり、自分の名前もスピードをもって書けなかったりする。
書くことの信憑性は薄いと見られた。
「嘘をついたら殺す」 と脅かしながら書かせたが、この時点での名前と年齢の半分、住所に至ってはすべてに嘘をつかれていた
写真を撮り、手指全部の指紋を取り、密航事実の書類を作成する。
ブラジルの最初の港であるサンタナ港の前で、どこかに隔離することを決め、それまでタリールームを 塒とさせる。密航者健康状態良好。
乗組員の食料に準じた食事(IDAY 4.2USD)与える。(経費として食糧費発生)

.........

(解説)

嘘をついたら殺す; 

密航者には、船長は厳しく当たらなければならない(鉄則)。
この理由、責任をもって処理をしたものでないと解らない。
一方、乗組員(日本人以外)は、面白がって密航者に優しく接したがる。 
それを戒めながら、乗組員に密航者の世話をさせねばならない。 
乗組員というのは、海上にあって、船の中に閉じ込められているのと同じだ。
長い航海になるとストレスが溜まる。
そういう時、密航者と言う新参者が加わると、彼らをかわいがりたくなるのだ。
わからないでもないが、船長にとっては迷惑だ。
責任ある船長と無責任な乗組員との間の意識を埋めるのも結構な作業となる。

嘘をつかれていた; 

殺すとおどかしていながら、嘘をつかれた。
自分の本当の名前も住所も白状しないのだ。
ドミニカ共和国は、自分の国の国民と証明できない者の送還を受け入れない。 
当たり前だ。 
密航者もそれを知っている。 
本当の自分を白状すると、本国に送り返されることを知っている。
だから、嘘をつく。
密航者に本当の名前と住所を白状させるのは難しい。
彼らに何回、嘘をつかれたろうか。 
嘘をつかれるたびに、ドミニカに問い合わせる。
「そういう人物は我が国に居ない」との返答が返って来る。 
それを繰り返しながら、彼らは、船の中でメシを食って生きてゆける。
ニヤニヤしながら本国以上の生活が送れるのだ。
なんともいまいましい。

タリールーム;

港で荷役をする時、
貨物の状態や個数をチェックする役目の人が乗りこんでくる。
検数人(タリーマン)という。
そういう人達に事務所を提供する。
その事務所をタリー室という。
大概が、乗り組み員の居住区からは、少し外れた処に設けられる。

乗組員の食料に準じた食事;

彼らに食料を与えず、苦しまさせた上で、食料を餌に口を割らす....
という方法があったかも知れない。
事実、そうした扱いが頭をよぎったが、さすがにそれはできなかった。
私の船の乗組員は、全員がフイリッピン人だった。
フイリッピン人は、多く食べないが、食べる回数が多い。
3度の食事におやつと夜食を準備する。
それも船長の仕事だ。
「準じた食事」と書いたのは、おやつと夜食がないという意味だ。
by yosaku60 | 2017-03-07 08:15 | 日本=船員・船長時代 | Comments(0)
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