夕べの宴会....が始まる少し前、
ジャントゥンピサンが出来上がり、魚も焼きあがり、
みんな準備ができたのに、コミンの夫と弟がなかなか現れない。
オレは、待てないので、テレビを見ながら、一人で飲み始めた。
と、しばらくして気が付くと、コミンがいなくなった。
どこに行ったのかと探すと、薄暗くなった庭で何やらごそごそしている。
庭の雑草を積んでいるようであった。
雑草を積んで、何か食べ物を作ってくれるのかな?
と思っていたら、そうではなかった。
こんなことのために雑草を摘んでいたのだった。
バリの若者は、暗い中でもよく目が見える。
薄暗い中、「王冠」を作っていたのだ。
そう、確か....「王冠」だ。
女の子達は「王冠」と呼んでいたはずだ。
そう....
昔、昔、小学生だった頃..、
こういうことをしていた女の子達がいたっけ.....
と、淡い昔が、うすぼんやりと思い出され....
なんだか、ふんわりとなり、切なくなって....
この齢になって、そう言うことを思いだすなんて...
手が届かなかった昔が、こんな間近にあったなんて....
いろいろありがとう、コミンちゃん。