サヌールビーチは、東に向いています。
東風が吹き寄せると海面が盛り上がります。
では、何故に強い東風が吹いたのか。
オーストラリアの友人の話と重なります。
メルボルンの友人がバリ島に来られたのは、6月3日でした。
その日に、私はお会いしました。
と、彼 「家を出る時、0度だもんな、寒かったよ」 というのです。
この時期のオーストラリアとしては、異常に冷えていたのです。
オーストラリアは大陸です。
大陸のオーストラリアが冷えるとどうなるか。
大陸を覆う空気も冷えるのです。
(冷えた空気の塊りを寒気団という)
空気が冷えると収縮します。
収縮すると重くなります。
空気が重くなるということは、気圧が高くなるということです。
いわゆる「高気圧」になるのです。
通常以上に冷えた6月3日、それから1週間。
オーストラリア大陸には、強い高気圧帯になったのです。
こう言う具合にです。
空気は高気圧帯から低気圧帯に流れます。
ここでは、まず、
オーストラリアから外に向かって空気が出る、とだけ覚えて下さい。
その空気は冷たく、そして砂漠の上の空気なので乾いています。
そんな空気がオーストラリアから放出されるのです。
どういうふうに放出されるのか。
アジア大陸に目を向けて下さい。
アジア大陸は北緯にあります。
夏は太陽が近くなり温められます。
温められると空気は膨張して軽くなります。
軽くなるということは、気圧が低くなるということです。
低圧帯ができるということです。
オーストラリアから排出される空気は、この低圧帯に向かうのです。
どんなふうに向かうかというと、こんなんです。
バリ島付近を見て下さい。
東風になっていますよね。
バリ島から見てオーストラリアは、ほぼ南(南南東)にあります。
そこから来る風が何故に東風になるのか。
これは、地球が自転しているからです。
ちょっと難しいのですが、コリオリと呼ばれる力が働くのです。
南半球では、力の方向を左に向けるような力が働くのです。
(南半球の渦は、時計回りになるのと同じ理由です)
南から北に向かって放出される空気が左に曲げられます。
東風になるのです。
通常以上に冷えたオーストラリア。
通常以上の高気圧帯ができ、
通常以上に強く空気が周囲に放出され、
通常以上にバリ島に強い東風が吹き、
通常以上に海面が盛り上がり、
通常以上にサヌール海岸に打ち寄せたのです。
で、ラクダの飼育員が眠れなかったのです。
地球ってオモシロイですね。
その中で、人間もラクダも生きています。
オワリ