23、カリブ海:「昔が消された島々」
カリブ海の島々を巡るうちに、
なんとなく違和感を持ち始めます。
最初はわからないのですが、
訪れる国や島が増えるごとにその違和感が、
はっきりしてきます。
カリブ海の島々には「昔」がないのです。
昔は、メキシコから海づたいに渡ってきた、
インディオが住んでいたに違いないのです。
でも、どの島にもその痕跡がないのです。
跡形もなくなっているということは、
征服したスペイン人(だと思う)が、皆殺しにし、
残っていた「文化的なもの」も全て廃棄した、
に違いないと思うのです。
そうでなければ、
こんなにきれいさっぱり過去がなくなりません。
現在のカリブ海の島々の人種の顔つきや、
構成を見ても、そのことが判ります。
原住民が全滅したあと移住してきた、
スペイン人と彼等に連れて来られた黒人のみで、
構成されているように思うのです。
単に島ごとにどちらの血が濃いかだけの区別になります。
もっとも黒人の血が濃いのは、
ジャマイカ、
次にハバナ、キューバ、
次にハイチ、ドミニカ共和国となります。
プエルトリコになると、ぐんとスペイン顔が多くなります。
このまま、カリブ海の島々を右回りに見てゆきます。
アメリカ、イギリス、オランダ、フランスの、
それぞれの領土が島が変わるごとに国も変わります。
国境線が異常に多いのです。
与作は、これらの小さい島々を全部は見ておりませんが、
見たかぎりでは、こうした小さな領地は、殆ど白人です。
トリニダード・ドバゴまで来ると、
再びスペインの血が濃い黒人の混血(プエルトリコ程度)
になります。
このようにして、
カリブ海の島々の人種の交わり具合を考えてみると、
過去にスペインが原住民を全滅させて、
過去を奪ったからこその現在の人種の、
交わり具合だと思うのです。
・・・・・・
以上は、本によるのではなく、
与作が与作の体験から感じたことのみで書いていますので、
事実かどうかはわかりません。
間違っていたらお許しを......
.....................
上記をMLに発表したら、当時のMLのご年配の会員から、
次のような文章が届き、それにつづいて次を書いております。
(ご年配の会員よりのご意見)
与作さんの「海の臭い」の凄さは、
与作さんが自分の目で見て身体で感じたことをお書きになっています。
私は本でしか確認できませんが、史実です!
(ご意見に対しての返答)
そうですか、史実なのですか。
スペイン人がみな殺しにしたのは、
いくつかの本で読んだ記憶がありますが、
「文化」までも消し去ったようだ、
と思えた時は、少しショックでした。
島は逃げるところがないので、
消去しやすかったからなのでしょうね。
与作がそう感じたのは、
何度か訪ねるうちに、カリブ海の島々には、
民芸品がない......と思い始めたからです。
でも、与作の言うのは少しあてになりません。
与作は、その街の裏町しか知らないからです。
観光客が寄るようなところは、
お金が高いので、最初から近寄りません。
いつも、裏町......いつも場末の酒場です。
観光客の寄る空港などには、
もしかしたら民芸品があるのかも知れません。
で、書いたことの裏づけに自信がないので、
間違っていたらお許しをと書きました。
..............
「混血の程度」を書いた顔のつくりですが、
与作の判断材料は、ほとんどが女性の顔です。
それを証明できそうな、写真をお見せいたします。
A、インディオの血が少し入ったスペインの混血
インディオの血が少し入った女性です。
国は、中南米のグァテマラ。
小さな街の「イッパイ飲み屋」です。
後ろの窓のたたずまいがなんとも言えません。
テーブルがひとつだけの店ですが、
与作ひとりのためにアコーデオンとギターの歌付きで、
ビール一本100円なり。
母の店を助ける真面目な兄妹でした。
B、インディオの血が入らないスペインの混血
インディオの血が入らない女性です。
国は、カリブ海のドミニカ共和国、
リオハイナという小さな港町の場末のバーです。
左手前の女性は、18歳、無理をして、
煙草を吸って大人っぽく演技しているけど、
根は真面目な女性です。
..........
この二つは微妙に違います。
この女性達を見て混血の違いが、
おわかりいただけますね。
こういう違いを感じることが好きなのです。
人間が好きなのでしょう。
ですから、街に出てもいつも、
一人で裏町ばかりを歩いていました(過去形です)。
Bの写真に写る男性は、ワタシ....
25年前はヒゲも真っ黒でした。
髪も生えていたし.....神よ、髪を返して!(笑)。