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バリ残留日本兵: ワジャの墓があった!(その1)

バリ残留日本兵: ワジャの墓があった!(その1)_d0083068_105681.jpgワヤン・グデ・ワジャ.....
通称、ワジャと呼ばれた男。
無謀すぎるほど勇敢で、
バリ人から慕われた残留日本兵。
彼を書いた過去のブログを
再掲載する(下の記事)。
後尾の(註)にあるように、
いつか現地調査をしたいと思っていた。
で、昨日一日かけて行って来た。
目的の「赤い大きな岩」を見つけた。
さらにワジャの「お墓」まで見つけた。
それを連載で語りたい。
午前8時(7月12日)出発予定が
エヴィさんが遅れてくる。
聞けば、昨日は満月...満月の日のバリ人は、お祈り箇所をいつもの何倍にも増やす。
そう簡単に自由にならないのだ。
バリ人のことをを分かったようで分かっていないオレ、迂闊であった。
で、出発したのが午前9時、
ブラタン湖の東に位置する、Semanik の地に向かった。
途中、Carang Sari の地を通る。
Carabg Sari は、ングラライ将軍の故郷である。
何かの記念展示があるかも知れない、と探したところ、
将軍所縁と思える比較的新しい寺院があった(右上)。
中に入って見たが、建設途中らしく何の展示もない。
早々に切り上げ、Semanik へと車を走らせた(つづく)。

.........

バリ人戦友が語るワジャ(過去のブログの再掲載)

デワ・プトゥの語るところによると、
彼は、インドネシアの独立のために魂を捧げた日本人であった。
彼は、インドネシア独立のためには死んでもよい、
独立しなければ日本に帰らないと語っていた。
彼は他の日本人と同じく目が細く肌が白く身長は165cmであった。
彼は紳士的であり、バドゥンに沢山の友人がいた。

ニョマンブレレン(平良定三)によれば、
年齢は彼とほぼ同じであったという。

知っているものの証言によれば、彼はとても勇敢であった。
敵が逃げればそれをどこまでも追いかけた。
彼はいつも前へ前へと進むのでバリ人の誰もが彼についていけなかった。
バリ人は、バリ人の精神力はまだまだ弱い、
それに比べて日本人はとても勇敢であることを彼から学んだ。

彼にも欠点はあった。
策略することなく、無茶をしすぎることがあるのだ。
1946年6月13日のボンでの戦いの時であった。
彼は逃げる敵を追って行った。
その追い方が激しいのでバリ人の誰もがついていけなかった。
が、ただ、ひとりだけ彼についてくバリ人がいた。
そのバリ人はオランダのスパイであった。
ボンの村に近づいたとき、そのスパイは、
「腹が空いたでしょう」
「村に行って何か食料を探してくるのでここで待ってください」
と言って、村に入って行ったのだ。
オランダ軍に彼がひとりであることを通報に行ったのだった。

彼はその男がしばらくしても戻って来ないので、
さすがに騙されたことを気付いた。
彼は後退を始めた。
しかし、その時は、もうオランダ軍が彼を追い始めていた。
ある川のほとりでついに見つかり鉄砲で撃たれた。
数発が彼を直撃した。
撃たれた彼は、そのまま川に飛び込んだ。
Semanik の東の方を流れる川であった。
その川に消えた彼を見て、
オランダ軍は弾が当たり死んだものと思いその場を去った。

彼はすぐには死ななかった。
そこからだいぶ離れた川の中の大きな岩にたどり着いてそこで命が尽きた。
その大きな岩は赤い色をしており、
村の人からは精霊が宿っていると恐れられている岩であった。

村人は、精霊がワジャをここまで運んできたと噂した。
その噂を聞いてバリ軍はあとでその地を探した。
彼は大岩によりかかる格好で絶命していた。
バリ軍は、彼をその岩から運び出し、デサ・プラで埋葬した。

彼は日本人であった。
しかし、インドネシア独立のために生命を投げ出した。
こうした彼の行動を将来とも忘れてはならない。


(註)

彼がオランダ軍と戦かった「ボン」や、死亡した「スマニックの川」は、
ブラタン湖の東側、5~10キロの範囲にある。
密林地帯であり、比較的に人家が少ないところである。
人家が少ないからこそ、
彼の死亡した経緯の言い伝えが残っているような気がしてならない。
いつの日か、現地に行って調査したい。
by yosaku60 | 2014-07-13 10:55 | 帰らなかった日本兵 | Comments(0)
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常時ほろ酔い候

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