タバナンのこの付近は車で縦横に走った経験があります。
言ってみれば、土地勘のあるところでした。
で、その荒々しさから比較的に若い土地と捉えていました。
が、ブヤン湖が古代カルデラの湖だということを文献から知りました。
ということは、
古代カルデラが長い期間かかって浸食され分りにくくなり、
そこに新しい火山があって更に古代のものが見えなくなった、
とうことであろうと思うのです。
これを見やすくするために、
世界遺産の範囲の例のタツノオトシゴを横にして、
頭、胸、腹、足と4等分してみました。
それを縦に輪切りにして標高を表す図を描いてみました。
この二つをつらつら眺め.....
この地を車で走って見分した景色を合わせ,.......、
独断と偏見で想像してみると......、
古代のモノと新しいモノとの関連がわかるような気がするのです。
同時に世界遺産の大体が見えてくるのです(後述)。
1、頭の部分(右半分が古代)
右端を見てください。
頂上の先が尖っております。
実際に車で走ると分りますが、頂上には車が通れる道が一本あるだけです。
左の崖下には、ブヤン湖、タンブリンガン湖が見え、
右の崖は、それこそまっさかさまに落ちるような急斜面の谷底です。
外輪山がこのような尖った形になるまで浸食されたということです。
年代の古さを感じます。
まさに文献にいうように古代カルデラの跡地です。
で、湖の湖面の高さですが、外輪山(1300m)から100mほど下方にあるので、
1200mとして、図示して見ました。
この付近は、毎日かならず一回の雨が降ると言われるほどの多雨地帯であり、
湖への雨水の補給は十分にあるのだろうと想像します。
2、胸の部分(全体が新時代)
2000m級の山が3山あります。
どの山も新時代の山であり、山すそは急斜面で降る雨は直ぐに下に流れ、
伏流水を溜めるような地形にないのだろうと想像されます。
3、腹の部分(新時代、古代の混在)
標高800m~500mの傾斜地です。
時おり削り取られた谷底もありますが、
全体として丸みを帯びた丘陵地が多くあります。
古代の扇状地の峰や谷が浸食されて丸みを帯びた丘や谷になったのだろうと思われます。
地下水となったブヤン湖の水がどこに溢れ出すのか.....
北の方は急斜面なので標高1000mの地点のように読み取れますが、
南の方は、緩やかな斜面で距離もあるので標高800mの地点のようです。
800mというと、世界遺産のメインである棚田のジャティルイの標高です。
高地ではありますが山すそでもあり、なだらかな丘の全体が棚田になっており壮観です。
4、足の部分(新時代の中に少々の古代あり)
標高500m~300mの緩やかな傾斜地ですが、
小さな川が、この地では数十本が合体し、水量多い急流となって、
斜面を浸食し渓谷を作っているように見えるのです。
谷底に大きい岩がごろごろしている川に出合うのがこの地です。
意外と山に近い腹の部分よりも荒々しい地形があるような気がします。
その間隙を縫って、狭いながらも斜面には棚田が点在しています。