突然だが母の言葉を思い出している。
日本の終戦と時を同じくして誕生したオレ。
の、まだ小学生の頃、
アメリカの進駐軍がいて、
赤線や青線があった頃の話。
赤線、青線って解りますか?
今で言えば、風俗業のこと。
赤線は認可、青線は非認可営業です。
話を戻します。
赤線や青線で働く女性についてです。
母が言うには、
「彼女達には感謝しなければなりません」
「壁になって若い娘さん達を守ってくれました」
「彼女たちは自分が犠牲になることで、社会に役立つことを誇りとしています」
「その誇りを敬って感謝するのです」
ということでした。
この話は母からだけではない。
同じ話を多くのお年寄りから聞いた記憶がある。
さて、写真の娘さん達です。
明るい娘さん達です。
みなさん、ジャワ島出身です。
言ってみればその道の女性です。
が、言っておきます。
私は人種差別も嫌いだし職業で差別することも嫌いです。
一生懸命に頑張って生きている人は、みんな好きです。
今は、先に話した戦後の混乱時ではありません。
でも、いろいろな事情があり、それを受け入れて彼女達は頑張っています。
お金を貯めて両親や妹や弟に仕送りしてます。
イヤになることもあるのでしょうが、明るく振舞っています。
こういう受け入れ方の潔さには頭が下がります。
おかしいと思う人がいるかも知れませんが本当にそう思っているのです。
日本人の悪い癖で、
特に後進国の人を見る場合、日本との比較で見てしまいます。
それではいけません。
人間はみな平等です。
人間として相手を見るだけでいいんです。
比較は必要ありません。
同じ意味で歴史認識も同じです。
今の時代の常識を頭において昔の時代を見てはいけません。
今と比較しては、本物が見えないのです。
今を捨てその時代の社会状況の全てを知りきって、
その時代の人になりきって見なければなりません。
こういう思索は、
本からの受け入れ知識だけでは難しいのです。
実践が必要です。
橋下大阪市長の発言が物議をかもしております。
その時代のその土地の人になりきったオレから見ると、
なんらおかしいことを言っているように思えません。
右の写真のカミさんにくっつきたがる、娘さん。
きっと、田舎の母親を思い出したのでしょう。