他人におおらかである、バリ人の考え方。
それは、バリヒンドゥーの経典、輪廻転生から来ているように思われる。
ここで一部を紹介するが、葬式の儀式は、実に複雑である。
また、出生から一年の間、さまざまな喜びの儀式がある。
それらが、バリヒンドゥーの輪廻転生の考え方で繋がれている。
死生観が全体主義としてとり入れられ、合理的な社会形成となっている。
で、葬式だが、
昨日、5日間続いた大きな葬式が終わった。
近辺に住む住民、300人の合同葬儀であった。
まずは、合同葬儀場の入口を紹介する。
この中は紹介できないが、今回の合同葬儀のために建てられた社がある。
バリでは、人が死んだ場合、2回の葬式を行う。
最初は、肉体の葬式であり、火葬し、あるいは土葬(仮)する。
次は、魂の葬式であり、これは輪廻転生に元づき荘厳に行われる。
荘厳であるから、費用が莫大であり、なかなかできない。
で、お金を貯めて、貯まったら、みんなで割り勘で行うのである。
今回の葬式は5年ぶりであったそうな。
300人が集まるまで、5年かかったということである。
こうした合同葬儀、
沢山の人で魂の葬式を行えば、良い生まれ変わりができるとも思われているからでもあるそうな。
合同葬儀場に魂を送る前に、死者の各々の菩提寺で魂を清める儀式がある。
写真は、菩提寺での儀式の一場面である。
集まっているのは、死者の親類や知り合いのみである。
魂の扱い方が面白い。
お坊さんが、ガジュマロの木の高いところの枝を落とす。
輪廻転生の生まれ変わりの性別を決めるためである。
それが地面に落ちた際、葉が表を向いておれば男性、裏であれば女性、に生まれ変わるそうな。
当然、ガジュマロの葉は、魂の一部として、供え物に加わる。
写真は、このようにして清められた魂を合同葬儀場に運ぶ行列である。
合同葬儀場に着き、社の中に入るための時間待ちの人々。
みな、にこやかな表情である。
魂は合同葬儀場で燃やし、その灰は全員で海に流す。
300人の死者の家族や知り合いが海に集まるから、大変だ。
多分、2000人は集まったと思われる。
9月5日の早朝、5時~8時、マタハリビーチに通ずる道路は、全て交通規制がひかれた。
魂はこうして、一旦海に流したあと、再度菩提寺に迎え入れる。
その後、家族は菩提寺で、6ヶ月に一度、お参りすることになる。
にこやかな笑顔、もう一枚紹介する。
左は親子3代だそうな。
多分、おばあちゃんの連れ合いの魂の葬儀であろうと思われる。
輪廻転生であるからゆえ、悲しさはない。
「写真とっていい?」
との私に、笑って快諾してくれた。